斉藤朱夏

止まらないで – 斉藤朱夏

刻一刻と変わってく現状に
焦るほどにもつれる脚
倒れて見上げた大空は
高くて青くて笑えるぜ

逃したぶどうが酸っぱいとか
丁寧に敷いた予防線から
つま先がちょっとはみ出してる
誤魔化さないでよ ねえ

欲しがらなきゃ失くすことなどないよ
歩き出さなきゃ迷いもしないよ
それが上手く生きるってことだとしても しても しても

止まらないで 止まらないで
自分で閉じた扉から
分かるでしょ 聴こえるでしょ
高鳴りのノック ノック ノック
隠さないで 隠さないで
自分で鍵を開けたなら
少しだけ 少しだけ
何か変わるかも
止まらないで!

「どうせ」が決まり文句の理論武装
重そうな仮面のその向こう
視線はまだ前を向けるでしょ
逸らさないでよ ねえ

望まなければ裏切られもしないよ
始めなきゃ終わることもないよ
それも間違いじゃないけど
その向こうへ 向こうへ 向こうへ

止まらないで 止まらないで
自分で閉じたまぶたなら
開くのは簡単だよ
眼差しは遠く 遠く 遠く
まだ暗くて 不安だって
一寸先の闇を抜けて
少しだけ 少しだけ
何か変わるかも

遠回って 空回って
くだらないって思えても
悪くは無いって 悪足掻いていこう

止まらないで 止まらないで
自分で閉じた扉から
分かるでしょ 聴こえるでしょ
高鳴りのノック ノック ノック
隠さないで 隠さないで
自分で鍵を開けたなら
少しだけ 少しだけ
何か変わるかも
止まらないで!

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