斉藤壮馬

  • SPACE TRIP – 斉藤壮馬

    宇宙船になって旅に出るとびきり遠いとこへ銀河の涯てとかね世界の終わりとかね どんな幽霊が待ってるかなただよって トリップしていく まるで水のように透明なかたち さわっていかれた妄想も月を穿つように楽しまなきゃつまらないだろ? 聖邪を丸めて飲むごくりごくりもうひとつの眼でハイドアンドシーク さあ どっちの次元も ずらしてみて誰だって トリップしている ユーモアの翼でデブリも掻きわけ 泳ぐかそけきほむ…

  • 蠅の王 – 斉藤壮馬

    さぞ心地いいだろ その密室は(油断しとけ せいぜい)ずっとしたり顔で居座っている(誰の場所でもない) 何がきっかけで手遅れになったんだ?なあ あの日のおれにどうか選択の余地をくれ 最上の快楽が待ってるのさ きっとすべて貪り尽くすような血の味ならもう 慣れているからこいよ 痛い方が気持ちいいぜ 削り取られていく 痺れた脳(捨てられるだけだろ)終わりが見えている 剥がれてしまう(もう嫌になったのさ) …

  • mirrors – 斉藤壮馬

    揺らいでいる 不確かな憎悪ハレーション ふいに見えたよう 残響に手を伸ばし黒白に染まりゆくまばたきをするたびに凍えていく 哀しみを哀しんでもいいよ夢から醒めてもなお哀しみを愛してる 怖いね さかさまの牢ふたりで 結ばれた像はサッカード まやかしてよ偽者のぼくをこのまま騙していてまなざせよ ねえ ひとりワルツを踊るねえもう一回ねね、もう一回ね全部終わりにするからさ白昼夢に囚われねえどんなんだっけね、…

  • 風花 – 斉藤壮馬

    きみが遺した呪いが雪になって澄んだ冬の空に遊ぶ風花に囚われて 悪い顔で嘘をつくの浅はかだね ずるい身も蓋もないことを無邪気に騙る くだらないと思いながらも息をするように道化を演じている愚昧だなと嘲笑うほどに欠けて減っていくおろかだわ きみが遺した呪いが雪になって澄んだ冬の空に遊ぶあとどれくらい 間違えたら地に足をつけられるかな風花に囚われて ずっと私 きみのことを見下していたんだな ずっと今更そん…

  • 楽園 – 斉藤壮馬

    窓を開けた風はさやかくちなしのにおい夢が告げた心地のよいこの場所から 今日旅に出るの遠くまで ここは最後の楽園だよ始まりと終わりのガーデン凍てついたままの枝はやがて祝福を受けて孵る朝焼けに祈りを込めて歩き出したら 次はどこへゆこうか 水は流れやがて海へめぐってゆくねけれど同じ川の中へ二度は入れないそうだからこそさいくんだよ そこは最初の楽園だよ始まりと終わりのガーデン物語の切れ端を震える欠片たちを…

  • ざくろ – 斉藤壮馬

    ぬばたまの闇が ひっそりと蝙蝠のような ずる賢さで這い寄ってくる これ以上無力で 冥府の扉は いつでも瞼の裏側 佇んでいるからいっそ このまま水仙と汚れたい ありもしないよとわりきれないから ごめんね吐き気がするほど青に融かされてしまうよ ミネルヴァ片眼の梟が笑い帳はぬめる夜 吐息だけ ざくろのにおいが中を満たしたら うごめきざらりと冷たい蛇の舌先がずるいよ ありもしないよとわりきれないから ごめ…

  • ラプソディ・インフェルノ – 斉藤壮馬

    ぶつかったふたつのビー玉 弾け穴深く 吸い込まれていった片われだけ もののあはれラプソディ 奏でて踊ろう 理屈まみれ こねくる性変わらない人間のサーガ還りたい? ママのところへブルーノートがあやすクレイドル あまいコラプス大罪にほだされ可愛いタナトスさあ 鳴らそう クラップ・ユア・ハンズ!手を叩き 耳すませて目を凝らせ 瞼閉じたままで堕ちていく 笑い浮かべ燃えさかる緑の星の上 抗ったつもりがどうだ…

  • (Liminal Space)Daydream – 斉藤壮馬

    アーケード 電子亡霊の海 スリル不協和な認知 式の不成立 いびる 誰もいないとこまで飛べる気がしたの無重力の心なら ほらほら 快晴 団地の屋上にいるふり いびつ存在が飽和してしまったようだ、きみ まだ濁ったままの濾過機能はソー・ファーいじらしいほど憐憫 蜜の飴玉 頬張って入り口は別でいいんだっけなんでいつもこうなっちゃうかなそういえばあれはなんだっけ逸らした瞳に残像がア・バオ・ア・クゥー 誰もいな…

  • ないしょばなし – 斉藤壮馬

    もてあましている 何もない日々終わって後悔?さらさらしてないねあやまっている そんなこと解っているよだからなんだってんだい こんなグルーヴにもちゃっかり乗ったフリしたらがっかりされちゃうものかもねシガー切らし 時代遅れそれじゃ さかしまになったりななめから見ればあっさり机上のクーロン そりゃ結構ね 正常の意味を辞書で引いたらきれいな怪物が嗤っていた愛情の機微を炭酸で割ったが飲み干せない 環状に沿う…

  • 幻日 – 斉藤壮馬

    誰そ彼の向こう側枯れ葉にまぎれていた透明な迷いが ゆれる かすみたなびく季節埋め捨てられたむくろ100年経ったならば おいで 桜が散ったらこの場所で逢おうよ縫いつけられた口が笑う嘘みたいでなにもかもしがらみの果てに幻を風に解き放つのは誰のカルマ?夢のふちで 待ってるから 朝ぼらけの世界はミニチュアの地獄みたい広大な迷い家 ひとり かすみたなびく季節早いところくぐろう呼び声がするから いくね 桜の下…

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