戸川純 avec おおくぼけい
本能の少女 – 戸川純 avec おおくぼけい
ジェットのような真昼の嵐
轟いては地響き上げて
おののく私を囲むよに
ああ正体は蝶々の群れ
鮮やかな虹色の羽根
鋼鉄の鱗粉を散らす
生きているうちにしか できないことを
本能のみで知る者達 蝶々
吹き上がるグラデーション
金の鱗粉舞う中を
長い髪なびかせて
目を閉じて立ちつくす
マッハのよう春の日の嵐
彼らの姿は大自然
人間のように悩みはしない
第一蝶は自殺をしない
鮮やかな虹色の羽根
鋼鉄の鱗粉を散らす
私が死んだって世界は変わらないが
生きている意味なら つくるわ自分でつくるわ
生命力に水をさす
知性のベール脱ぎすてて
尊重するべきは本能
基本の生存本能
吹き上がるグラデーション
金の鱗粉舞う中を
長い髪なびかせて
目を開けて歩きだす