愛本健二

月の舟 – 愛本健二

分かっていても 哀しくなるの
逢えない夜は 永すぎて
夢の中では 許してほしい
罪な女の わがままを
私一人の あなたを探し
闇を漂う 月の舟

昨夜(ゆうべ)の名残 抱きしめながら
心にたぎる 恋炎
何度背中に 私の名前
刻み付けても 叶わない
どんな世間の 冷たい風も
耐えて沈まぬ 月の舟

傷つくことも 怖くはないの
誰より愛しい 人だから
もしもあるなら 許してほしい
二人添いたい 次の世で
私一人の あなたを探し
闇を彷徨(さまよ)う 月の舟

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春待ち草 – 愛本健二

どこへ流れて 行く雲か見ればお前の 顔になる雪割り草の またの名を春待ち草と 云うんだよ逢いたいな 逢いたいよお前は俺の 春待ち草だよいのち燃やした あの夜が今

北の酒 – 愛本健二

俺のためだと 身を退いたお前のことが 気にかかるあれから独り ながれ旅ここはさいはて みなと町骨の髄まで 染みるぜ問わず語りの 北の酒波に浮き寝の 漁火におもか

やっぱり有紀子の負けでした – 愛本健二

胸の奥では いつだって燃えているのよ そのくせに逢えば意地張り 澄まし顔好きと言えない いくじなしやっぱり私の 負けでしたやっぱり有紀子の 負けでしたあなたなん

母さんの星 – 愛本健二

なんにも変わりはないけれど 今日も倖せでした ありがとうあかねの空に いつの日も優しい光を たたえてる…一番星は母さんの星…聴いてください 僕の歌心をこめて 唄

こころ詩 – 愛本健二

愛という字を よく見てごらん心を受けると 書いてある受けたまごころ 温めあえばやがて芽ばえる 愛おしさめぐる季節を 高らかに謳(うた)いたい 変わらぬ愛を 謳(

恋おんな – 愛本健二

心の風穴 木枯らしがふるえ哭(な)くよに 吹きぬける寒さしのぎの ひとり酒乳房(むね)の谷間を 濡らすだけあんた…あんた…ねぇあんた…‥帰っていいのよ いつだっ

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