志方あきこ

  • VII – 志方あきこ

    薄闇に光る邪な明けの星黒髪の乙女 笑う不遜に ねじれた想い抱いて無いものねだりの声涙は誘う「こちらにおいで…」 Chi sei?あなたはだぁれ? 怒りのマグマは とめどもなくあふれ罵声は孤独な 胸の奥を隠す さあ もうお休み 何もしなくていいからそう 怠惰の眠りの底深く深く 沈めてあげるからDormi in una bara fino alla morte!棺の中で果てるまで眠りなさい Chi s…

  • まほろば – 志方あきこ

    私を呼んでる はるか遠い場所で足跡ならべた あの日の数え唄草の匂いせせらぎ 続く轍をぬければ約束の丘に 午後の光が舞い降りる どこで生まれたのだろう空に浮かぶ白い雲どこへ行き着くのだろうあの水の流れは 輝ける大地 囁くいのちの声めぐる季節を ただ見送りながら今を生きる喜びを誇る様に私に語りかける 風の調べに そっと瞳を閉じれば聞こえてくるのは 優しき母の子守唄 夕暮れの茜色が寂しげにゆらめくのは誰…

  • Harmonia ~見果てぬ地へ~ – 志方あきこ

    夜空を超え 地平の果てに朝焼け滲む 私を照らして 生れ落ちた 荒野へ立ち手を広げ 耳澄ませ私は今 始まりの歌 覚える 胸を叩く 鼓動にあわせ願い 紡ぎ 謳おう 細く光る 祈りの欠片重ねゆけば 世界は目覚めゆく 風は遠く 空を翔けて遥かなる旅をゆく 生まれ消えて 巡り巡る生命を 照らす炎よ 清く 流れ落ちて恵み降る 雨受けて 土は満ちて輝く花を 咲かせる 今 謳え 生まれゆく ハルモニア 明日の空へ…

  • 蒼碧の森 – 志方あきこ

    木漏れ日に照らされて 森は霞深く行くあてさえ知らずに 梢のそよぎにさまよう苔むした せせらぎに 蜻蛉は舞い踊るきらめく碧い翅は 儚い命の色 想い出 色褪せても 今も胸に映るのは懐かしい人の 温かな微笑みだけ 翔けぬける風に心を例えて遠いあの空で 巡り逢える様に祈った 蛍火に誘われて 闇は帳を降ろし枝葉の天蓋に 星空は輝き出す 透きとおる月の光を集めて遠く甘やかな日々を夢見れば時の移ろいに想いはあふ…

  • 金環蝕 – 志方あきこ

    荒ぶれる神の地に 赤い陽が落ちてゆく終焉に揺れ動く 大地を焦がす様に 道無き道を行こう 誇りだけをまとって血潮の命じるまま 明日の果てを目指し 迫り来る迷いの闇 切り開く様に想いを秘めた心の刃 空高く掲げて 駆け抜けよ大地を 駆け抜けよ時代を瞬間に光立つ 希望を糧に抗えよ全てに 抗えよ世界に滅びゆく種の記憶に 砥いだ爪を立てて生き抜け 荒々しくも 懸命に樹々の根が手を広げる大地と空を掴む様に高く …

  • 片翼の鳥 – 志方あきこ

    Il giudizio finale sta per essere emessoNessuno puo emendarsi dal peccato che scorre nelle vene 海鳴りの調べに 黒雲は空へ集う嵐を呼ぶ風は 高らかに 謎めく言ノ葉に 魔女達は含み笑う歪な夜の宴は 繰り返す Sperare e peccato? 奈落へと堕ちた 金色の蝶は幾つの罪に 翅(はね)を濡らしてゆ…

  • うみねこのなく頃に~煉獄~ – 志方あきこ

    Ne regole Ne comandamenti Ne ragioneIn altre parole:imprevedibile掟も 戒律も 理由さえも不在の儘(まま)無謀な議論のみが 聳(そび)え立つ Ma succedeCose spiacevoli succedonoE io ne sono la causa不測の事態は 無粋に訪れ醜悪な物語は生れ堕ち我が内より 禍(わざわい)は流れ出す …

  • Navigatoria – 志方あきこ

    水に沈んでゆく蒼く錆びついた時計私の時間は再び動き出す 舟を出すなら今雲が切れぬうちに迷う心白い月に見透かされてしまう前に Navigatoria 貴方は今も 夜空のどこかで きらめいてNavigatoria 私の眠りを 呼び覚ます 揺り起こすNavigatoria 見えないあなたを 求めて 二度と戻れない旅へ 陽に褪せた海図は指を離れ舞い上がる迷う心風の中に高く小さく消えてゆく 走り去ってゆく雲…

  • 睡恋 – 志方あきこ

    こぼれ落ちた泪(なみだ)ひと雫水面(みなも)に弧を描き出す今もまだ胸に響くのはもう失った幸せの歌 声もなく孤独に震えてる麗し愛しき花よ幾重にもまとった花びらでその傷口を隠しているのでしょう 疲れ果てた心 かたく閉ざした蕾(つぼみ) 微睡(ねむり)なさい明日を夢見ては夜にたゆたう睡蓮の蕾透きとおる 淡い紅の花ひらく時 恋が咲くのだから 砕け散った愛を集めては欠片(かけら)にまた傷付いてくり返し痛みに…

  • 花帰葬 – 志方あきこ

    あてどなく ただ君は 彷徨(さまよ)いながら冷えた心を震わせ 天を仰いだ 終焉の鳥が 高い空から刻(とき)を告げ閉ざされた世界で 僕らはまた巡り会う 君を奪い去るその全てを 凍てつく街に捨て永い哀しみの終わる場所へ 堅く手をつなぎ駈けてゆこう 白く 散り急ぐ花のように朱く流れるいのちの上に 雪は止め処なく降りつもる 果てしなく続く この白銀の路(みち)淡く儚い希望に 明日を夢見た 春告げの鳥は 泪…

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