彭城渉

気まぐれ函館 – 彭城渉

気まぐれ函館 あなたは嫌い
優しい素振りも 夢芝居
漁火ばかりが 蛍の様に
揺れて隠れて 私を泣かす

気まぐれ函館 あれから春も
いつしか巡って ひとまわり
古びた映画を 見ている様に
今もあなたが まぶたをよぎる

気まぐれ函館 別れりゃ他人
おもいでばかりが つきささる
小雨が冷たい 桟橋あたり
すがりつきたい カモメの胸に

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新宿海峡 – 彭城渉

水割りの角氷 かきまわす度ほろ苦いおもいでが めくれていく呑む程に酔えもせず 背中を丸めあの頃をひとり 追いかけていく新宿海峡 カモメもいない酒場町新宿海峡 風

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