広畑あつみ

  • 紅葉舟 – 広畑あつみ

    川の流れに ふた片(ひら)み片(ひら)散るは涙か くれないの心がわりに…気づかぬ訳では ないけれど別れたくない 愛していたい女…せつない 紅葉舟 遠い滝音 うつろに聴いて恋の想い出 指で折る子供みたいに…甘えてはしゃいだ 夏祭りこんな哀しみ 嘘だと云って夢に…漂う 紅葉舟 風の冷たさ こころの寒さ肩をやさしく 抱くひとよそうよ春まで…ふたりでひと冬 越せたなら強く生きます 恨みはしない女…一途の …

  • 秋桜街道 – 広畑あつみ

    恋は綾取り もつれたら解(ほど)けぬ赤い 糸ですかいちど千切れて しまったら結べぬ細い 縁ですかあなたの顔が花陰に 浮かんで来ます秋桜街道いつからか 迷子の愛を見付けておくれ……道祖神(どうそじん) 元の二人に 戻る日がいつかは来ると 思います愛の糸口(いとぐち) 捜すまでこのまま歩き 続けますあの日のようにこの髪を やさしく撫でて秋桜街道お互いに 恋なき子ならこの指止まれ……赤蜻蛉(あかとんぼ)…

  • 捨てられて – 広畑あつみ

    でもね あの人 悪くないのよ噂信じた 私が悪いそうよ一人に なるのこわくて尽くしすぎて捧げすぎて 捨てられたのどんな愛でもいい すがれるものならどんな愛でもいい やり直せるならでもね帰れる部屋は 部屋はもうないのだからだから今夜は つき合ってよ でもね あの人 憎めないのよひどい男と 言うのはやめてそうよ悲しい 嘘がなければあの人よりやさしい人 いないはずよどんな愛でもいい つめたくされてもどんな…

  • 恋月夜 – 広畑あつみ

    想うあなたに 想われなけりゃ女に生まれた 甲斐もないいたずらに 目隠しされたあの日から消すに消せない 胸の火よイヤだ イヤだよ 片恋なんてさ…涙 ひとり寝 恋月夜 紅をひと掃け 心にさしてあなたを待ちたい 宵の口湯上がりの ほのかに香るこの髪の先の先まで 逢いたがるあなた今ごろ どうしているの…涙 面影 恋月夜 咲いた花なら 散るのもいいが蕾のままです この恋は夢でさえ 抱いてもくれず背を向ける知…

  • 愛はエバーグリーン – 広畑あつみ

    体を折り曲げて 座席に身をかくす私を追ってきた あなたの目をのがれ手ぶらで普段着で 平気を装って発車のベルに乗る ひとりで旅に出る愛はエバーグリーン永久(とわ)にかわらないはずだけど つもりだけどほんとは自信ないみどりの風に 巻かれてみたいなんてわがままかしら あなたどう思う? 名前を呼ぶ声が 姿が近づけば涙で息をのむ 自分が残酷でどちらが悪いとか 正しいとかじゃなくしばらく間を置いて たがいを見…

  • 星空のトーキョー – 広畑あつみ

    あなたを想って 一日が終わるの今夜もため息が 素肌にこぼれる二人で過ごした この街で暮らすのいつかは もう一度 逢える気がして Ah…なんて星がきれいな夜なのねAh…夢が哀しいAh…今は愛の輝き抱きしめてAh…そっと抱きしめてひとり… 甘い記憶は 繰り返すさざ波今夜も残り香と 一緒に眠るのレースのカーテン 開け放したままで交わしたくちづけに酔った あの頃 Ah…せめてあなたの声が聴きたくてAh…空…

  • 約束愛 – 広畑あつみ

    孤独な街角で 男と女神はいたずらに 二人巡り合わせ報(むく)われぬ 愛の行方を知りながらも 試すつもりか この髪 この瞳(め)も この手もこの口唇(くちびる)もすべて貴方のために創られた 母に抱(いだ)かれ 眠る児(こ)のように貴方に安らぎ 与えたい 窓硝子に映る 都会の景色人の心から それは生まれたもの色もなく 殺伐として愛なしでは 生きて行けない この花 この皿 この絵もこの手料理もすべて貴方…

  • Tokyoに雪が降る – 広畑あつみ

    臆病なふりをして愛されてた時もあるためらえば それきりの人だと分かってても あなたから さよならを云われるのが 辛いから恋心 閉じこめる氷の部屋があるの 涙を流して 憐(あわ)れみを乞(こ)うようなそんな女には そんな女にはなりたくないわ Tokyoに雪が降る しんしんと積もるTokyoに雪が降る こんなに こんなに 哀しい 雪が降る 寒々とした部屋に鳴り続けるベルの音あなただと 分かってる引きと…

  • 夕花火 – 広畑あつみ

    酔って忘れる 恋ではないが飲めば一夜が 越えられる胸を焦がした 夕花火まんまる月夜の 帰り道肩を抱かれた 思い出もおんな囃子はヨーイトナ 風に散る 祭り太鼓が 遠くで鳴れば未練あと引く 乱れ打ち二度と来ないわ 幸せはほんのり露草 咲いたって恋が教えた なみだ色おんな囃子はヨーイトナ 夜に散る 命懸けても 叶わぬ恋はどこに捨てよか 流そうか胸で砕けた 夕花火つんつんつれない 片情けきっといいひと い…

  • 蛍橋 – 広畑あつみ

    闇に連れ添う 蛍火さえも吐息つきつき とんでゆくほうほうほたる ほうほうほたるたとえ短いいのちでもはかないなんて 嘆かない 嘆かない心こがして 火の帯び抱いて駆けてゆきます ふたりの蛍橋 時代ばなれと 誰でも笑う親が許さぬ 恋なんてほうほうほたる ほうほうほたるあなたほんとの男なら奪ってみせて 意地みせて 意地みせて雨でかさ増す 川の瀬だって越えてゆけゆけ ふたりの蛍橋 ほうほうほたる ほうほうほ…

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