工藤静香

禁忌と月明かり – 工藤静香

ひとつふたつ数えて遊んだ
そんな日々の全てが愛だと知った
深い闇も手招いてくれたのは
月色(つきいろ)と君の手

拾い足であの日を辿ろう
その鳥居をくぐり抜けたら
本当(ほんと)に 花火はあがる?

いかないで いかないで
心も無いような世界だ
誰かの望む色に
照らされる君の顔

帰ろうよ 帰ろうよ
本当のボクらはここにはいない
過ぎ去った夢の中
あの子を射して お月様

豪華絢爛に咲いた都は
花の裏を見てから 変わるのでした
どんなに美しく夜を飾れども
雨水を吸うのです

お揃いの塗り下駄もここじゃ
ただ履き慣れないだけ
不意に 足をすくわれていく

会いたいよ 会いたいよ
事触(ことぶ)れに指さされて
こんな願いも叶わないようなら
何処(どっ)かへいこう

さみしいよ さみしいよ
心はどうにも風が抜ける
過ぎ去った夢の中
あの子を射して お月様

いかないで いかないで
心も無いような世界だ
誰かの望む色に
照らされる君の顔

帰ろうよ 帰ろうよ
本当のボクらはここにはいない
たとえ禁じられた願いでも

会いたいよ 会いたいよ
会いたいよって言わせてよ
他に願えど叶いそうなことなんてないから

さみしいよ さみしいよ
心はどうにも風が抜ける
過ぎ去った夢の中
すすり泣く君を探す

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