川崎修二

  • 中之島純情 – 川崎修二

    ビルの谷間の 吹きおろしおもかげ忍ぶ 御堂筋せめて逢いたい ひと目でも時計の針を 巻き戻せたらふたりできっと 出直せるも一度おまえと 中之島純情 ふたり歩いた 路地もなく昭和も遠く なるばかりうしろ姿の しあわせがグラスの底に にじんでゆれるおもいでだけが 置き土産飲んでも酔えない 中之島純情 まるで映画を 見るようにあの日が浮かぶ 淀屋橋忘れられない 今も尚淀川越えて またくる秋が男の未練 かり…

  • 北の酒 – 川崎修二

    船の汽笛が 沁みる夜は故郷を忍ぶ 酒がある望みは遠く 道なかばまだまだ戻れない 帰れない夢をおちょこに 浮かべてはひとりつぎ足す 北の酒 風が背中に 沁みる夜はおふくろ慕う 酒があるほこりまみれの ラジオから聴こえる昭和の 流行歌(はやりうた)いくつ重ねた 親不孝ひとりわびてる 北の酒 人の情けが 沁みる夜は親父を忍ぶ 酒がある家族の為に 働いてひとりで呑んでた カンビール思い出すんだ あの頃を空…

  • 男のにわか雨 – 川崎修二

    夢にはぐれて 傷ついて人の優しさ ふと思うめぐり逢い すれ違い今更遅い くやんでもおまえを浮かべ 佇めば心に今も にわか雨が降る きっとつかめる しあわせを泣いた分だけ 人はみなまわり道 させたけど祈っているよ 遠くからおまえを忍ぶ こんな夜は心に今も にわか雨が降る 季節はずれの 花もいい人目つかずに 咲くもいいおもいでは 邪魔だから明日の為に 生きてくれおまえを浮かべ 呑む度に心に今も にわか…

  • おまえを抱いて – 川崎修二

    見えるはずない 故郷の海を窓のむこうに 探す奴(やつ)心細いか 淋しいか泣いているよな うしろ影…おまえを抱いて おまえを抱いて生きるこの都会(まち) 春まだ遠いけど たまにおまえと 日帰りでいい花を手向(たむ)けに 帰りたい茜雲(くも)が流れる 北国で今も呼んでる おふくろが…おまえを抱いて おまえを抱いて男泣きする 心に風が吹く どんな夢見て この腕まくらたてる寝息の いじらしさ俺の命の 陽だ…

  • 初雪草の花 – 川崎修二

    夏の季節に 咲く花なのに誰が名付けた 初雪草よ…おまえの笑顔 重なるような清く咲いてる 可憐花愛が一輪 暖かい ああ 俺だけの花だよ 明日(あす)の見えない 夜露に耐えてつよく生きてる 一年草よ…淋しく消える その身を想い頬をおまえも 濡らすのか白いうなじが 愛しいよ ああ 俺だけの花だよ 空に綿雪 舞いとぶ頃に枯れる宿命(さだめ)の 初雪草よ…やさしく香る まごころひとつどんな花より きれいだよ…

  • おまえに逢えて – 川崎修二

    泣いたなみだの数だけはいいことがあるはずさ ふたりの行(ゆ)く先(て)にはちいさな春を はこぶから名もない花が 好きというおまえに逢えて おまえに逢えて俺は見つけた 生きる幸せを みんな時代のせいにして木枯らしの路地裏で お酒に逃げてたよ夜店で買った 鳩笛で聞かせてくれた わらべ唄おまえに逢えて おまえに逢えて俺は見つけた 生きるぬくもりを いつかおまえと故郷(ふるさと)の漁火のあの海へ 一緒に帰…

  • 旅…あかり – 川崎修二

    俺の生まれた ふるさとにゃ温もり抱いた… 風が吹いていた節くれ指で 井戸水を汲みつつうたう 子守唄母の優しい 微笑みが俺のこころの 旅…あかり 誰が吹くのか 草笛は切なく沁みる… 故郷(くに)の山や川想い出呼べば 熱くなり過ぎ去る日々の 幾春秋瞼とじれば 望郷のやけに恋しい わらべ唄 どこへ帰るか 雁(かり)の群れ夕焼け空の… 燃えるあかね雲夕暮れ小路(こみち) 肩ぐるま弱音を吐くな 負けるなと強…

  • ふたりの最終便 – 川崎修二

    五年も待ったね この日のことを涙うかべる おまえが愛しいよ窓にひろがる 海峡はるか呼んでいるのか 故郷(こきょう)の街を……北へ飛ぶ…北へ飛ぶ 最終便で今日からは…今日からは…ふたりで生きるのさ 他人の噂(うわさ)に 泣くだけ泣いて俺もすねてた 似た者どうしだよもしもおまえと 逢えずにいたらこんなやすらぎ 知らずにいたさ……北へ飛ぶ…北へ飛ぶ 最終便で今日からは…今日からは…ふたりで生きるのさ 許…

  • 俺と出直そう – 川崎修二

    まつ毛濡らした その理由(わけ)聞けば優しすぎると また泣きじゃくる悲しい過去の 傷あとは捨ててしまえよ この胸で……帰ろうか 故郷(ふるさと)へ…俺と出直そう 夜の化粧に こころを染めずめぐり逢える日 待ちわびたのかおまえにだったら 似合うはず母の形見の この指輪……みちづれは おまえだけ…俺と出直そう 花にたとえりゃ 雪割草と肩を抱くたび 恥じらうおまえ噂(うわさ)に負けずに 添いとげてなって…

  • 旅…さすらい – 川崎修二

    走る夜汽車の哭き笛は故郷(ふるさと)恋しと 切なく唄う…燃えて消えてく あの流星(ほし)にそっと宿命(さだめ)を 尋ねたい風も淋しい 冬空夜空明日(あす)も流れの 旅…さすらい さびれ港に 舞う雪は酒場の提灯(あかり)を やさしく包む…酔えば瞼に 見え隠れ純なあの娘の おもかげが俺のこころに 微笑かけるうるむ漁り火 旅…さすらい 北のさいはて 夕焼けは故郷遙かに しのべばつらい…凍れ流水 何処へ行…

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