島野孝子

夜の金沢 – 島野孝子

小雨がしぐれる 香林坊に
濡れてたたずむ 恋おんな
ふたり歩いた せせらぎ通り
流れもやさしい 夢もよう
あゝ 夜の金沢 おんな街

寄り添い渡った ゆきつりばしは
愛を誓った 出会い橋
夢二ゆかりの 湯桶の宿で
夢の続きを 見たいのに…
あゝ 夜の金沢 おんな街

小雪が舞い散る 茶屋街灯り
揺れて肩寄せ 石畳
蛇の目 三味の音 加賀格子戸も
想い出ばかり よみがえる
あゝ 夜の金沢 おんな街

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