島津亜矢

近松門左衛門原作「夕霧阿波鳴渡」より 夕霧 – 島津亜矢

いやよいやです もう待つなんて
待てば命の 炎(ひ)が細る
これが習いか 身の因果
少し泣いても いいですか…
恋は 恋は…
こんなに 何故つらい …つらい

この夕霧のために恋しい伊左衛門様は
勘当されて流浪(るろう)の身。
今頃どうしておいでやら…
何度も文(ふみ)を送っても 音沙汰なしとは、
あまりにもつれない仕打ち。恨みにござんす。
逢えぬつらさに煩(わずろ)うて これこのようにやつれ果てて…
夕の… 夕の… 命あるうちに
どうぞ逢いに来てくださんせ…
伊左衛門様…

髪もほどけて 涙も散って
明日も見えない 運命川(さだめがわ)
何処へ流れる おんな舟
袖にすがって いいですか…
夢は 夢は
儚(はかな)く 何故消える …消える

この夕霧をまだ花魁(おいらん)と思うてか…
そなた様とは 二世(にせい)を誓(ちこ)うた夫婦(みょうと)でありんす。
たとえ離れて暮らそうと 心はひとつ 身はひとつ。
共に死のうと言うてくだしゃんすなら
夕は… 夕は… 喜んで ついて行(ゆ)くものを…

かたい契りも 夢まぼろしか
諸行無常の 鐘の音
せめて添いたい 浄土(じょうど)では
少し泣いても いいですか…
おんな おんな 倖せ 何故遠い …遠い

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