岸洋佑

牛丼の歌 – 岸洋佑

僕は割とよく食べるほうの人間で
外食が多めのよくある現代人
たかが10分で手にできる温もりに
何度救われたことでしょう

その中でも牛丼が好きなんです
早くて安くて美味いもんだから
けれど行く度に思うことがあって
頭を抱えています

もう少し あと少しだけ
牛が増えたのなら
僕は幸せのつゆだくにまみれるのに
ただそれだけを願う

けど いざ増やしてみると
それはあざとくて いやらしい味がした
気付いたんだ僕らはいつも
丁度良いに囲まれてることに
それがとても素晴らしいってことに

あの娘との付き合いも長くなって
小さいことで口喧嘩仕掛けるふたり
100年の歴史を丼で語る牛に
負けないくらい器を磨こう

学生の頃母からのアドバイス
『初デートの夕飯牛丼屋はダメだよ 』
けれどオシャレなカフェに行ったって
あの娘、頭を抱えています

もう少し もう少しだけ 愛をもらえたなら
僕は幸せのつゆだくにまみれるのに
ただそれだけを願う

けど いざ増やしてみると
それはあざとくて いやらしい僕になる
気付いたんだ僕らはいつも
丁度良いに包まれてることに
それがとても素晴らしいってことに

いつかあの娘を牛丼屋に連れてこう
そして伝えるよ 大好きだと
「ウシのことじゃないよ 君のこと」
次はあの娘が大好きなものを
僕が好きになる番だ
連れていって

さあ増やしていこう ずっと
お互いに笑顔を持ち寄って
気付いたんだ僕らはすごく
丁度良い丁度似合うふたりさ
それがとても素晴らしいってことに
ありのままのふたりでさ…

ご褒美は豚汁変更 (給料日)
節約は牛皿テイクアウト (ご飯炊く)
いつだって会いに行こう
ありがとう ありがとう

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