山本美絵
くず葉川 – 山本美絵
紫薇花の並木の道が
夏の終わり 色褪せてゆく
ムギワラトンボと
川原で散った花火
君の街も頬を染めたね
秋の終わり オレンジの道
煙草のフィルター
流れてくのを見てた
もしもこの流れを止められたら
あの時の君だけをきっと愛してた
蛇苺を摘んだ空き地に
無表情なアパートが建つ
変わらないものなど
きっと何処にもないね
水は腐らぬように流れている
私達 いつかは海が見えるね
もしもこの流れを止められたら
あの時の君だけをきっと愛してた
…君だけをきっと愛してた
紫薇花の並木の道が
夏の終わり 色褪せてゆく
ムギワラトンボと
川原で散った花火
君の街も頬を染めたね
秋の終わり オレンジの道
煙草のフィルター
流れてくのを見てた
もしもこの流れを止められたら
あの時の君だけをきっと愛してた
蛇苺を摘んだ空き地に
無表情なアパートが建つ
変わらないものなど
きっと何処にもないね
水は腐らぬように流れている
私達 いつかは海が見えるね
もしもこの流れを止められたら
あの時の君だけをきっと愛してた
…君だけをきっと愛してた
夕方5時の商店街の道はやけに狭くやきとり焦げたタレの臭いに誘われるトラ猫自転車止めて話す唇紅い母親達床屋の前でサインポールは陽気に回っている空に昇りたくてどこか
喫茶店にも居疲れた会計済ませて帰ろうか閉店間際でかたずけの音がするその咳払いは帰れってことか帰るには充分に暗い君は待ってんだろうかおまわりさんが二人並んで自転車
嘘つきな客を乗せた3割増のタクシーただ一つ追い越せない直径5cmの月甲州街道 ガード見え隠れ女は喋り続けている「恋人が死んじゃったわ。」「それはお気の毒なこと。
あなたの帰るべき部屋の水はカルキ臭くて飲めやしない置き去りにされてた 机のコーラは気が抜けていて 甘いだけで身体を流れる血の音はこの夜が更けるほど うるさくなる