アミの目の上を すりぬける彼
とっくに色もあせて 風にあおられて
まい上がる彼
小さな弧を描きながら
胸にかくれ
てのひらに乗り
ささくれた 気分の 真ん中で
あそびのない かたい弓
思いきり引いて ねらいを定め
猫の眼のようにたくさんかわる
(また眼を閉じている。見られたくない。)
考えている
まわりの気配を見ては、
たのしいかどうか?
さびしいかどうか?
人擦れの音の中浮んでる
思うのはあの影の絵
彼らといっしょに
見えなくなってる
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今夜も朝まで 眠れない夢のなかとりとめのないうたが 浮かび上がり 闇に消えてゆく見えないものには 耳を近付けてみる何かの声がきこえだれの目にも だれのこころにも
いつもなんの まえぶれもなく白い霧のようなものに覆われて心うばわれ追いかけたものもなんの余韻もないままに なくなる大きなてのひらの上を 走りつかれてときどき ハ
やさしい人は 時に残酷な爪をたて心にもない 言葉でこころを切り裂いて悪びれもせず ウラもオモテもない顔でさりげないほど あざやかに 気配を隠してたのみもしないの
わずらわしいくらいぼくらには 時間がありつかれたフリをして どこまでもあらわれるどうでもいいことにとらえられ もてあそばれ気が付けばもう少しの スキマもなくなっ
あいまいな心のみなもとはあやしげなよわいきもちの せいなのか?電車でとなりあわせた 子供のはなしごえハッと気づいて 驚いて耳をすませてみたらこんなに こんなにか
あなたの白さは とても 軽くて言葉に乗せても まるで疲れないあなたのせかいはいつも 迷路でそんなところも とても 嬉しい真昼間の夢のなかを ゆらぎながらこのまま
また、きのうによく似た白い朝がゆっくりはじまってみんなの期待に応えるような いつものわたしになるなにも 話すことがないときは ふいに おしゃべりになるコトバがあ
時のたつのも忘れるほど 部屋の中で埋もれいつも何かしら ふさぎ込んでいるおそろしいほど 繰り返してスリ切れた日常は気付かないくらい ゆがんで見えてる今は求めるこ
もう少しはたぶん ここにいるかもしれないこんなにも静かな 気持ちになれるなら今はまだどこにも 灯りはともらない今はまだ誰にも 光は届かないこころは急になぜか 冷
そこには怖れもなく沈んだ心もなく昂まることもなくとりたててうたがいもせずゆがんだ夢もなく投げつける鎖もない力を込めるものもあきらめるものもない何だか 今ならよく
いつも途中まで 憶えていたもの家に着いたら 忘れてしまった何も思い出せないままほんの少しなら 自分のこともわかる気がした けれどそれよりも今は眠らせてほしいんだ
今日は何をしても どれもつまらない鏡を見ながら 顔をしかめたりむりやり誰かに 電話してみたり久しぶりに 本をひらいては閉じてあたらしい僕らは深みどり急な光あびて
はじまりという終わり時計のネジ廻すのは誰?進むべき明日なんて疑い続けくたびれてしまった風が渦巻く空狙い撃てあざやかに弛むカイトの糸放つことができたら世界はぬかる
いくら待っても 人になれないいくら呼んでも 人に会えない孤独がいつでも側にいてくれるとは まるで限らないうたがうことでしか何も話し合えない人うしろすがたが 誰か