山本精一

12色のバラッド – 山本精一

時のたつのも忘れるほど 部屋の中で埋もれ
いつも何かしら ふさぎ込んでいる

おそろしいほど 繰り返してスリ切れた日常は
気付かないくらい ゆがんで見えてる

今は求めることも しなくなってる
ずっとむかしのことばかり
のぞき込んでいる

そのうち俺は何にでも なりたいものになる
いつのまにか そう思い込んでいた。

気が付くのが遅すぎたのか 身動きもできずに
同じところから はなれてゆけない

今さらながら分るのは 俺の中はまるで
大きなガランドウ 風も吹いてない

夢を見ること自体は悪いことじゃない
けれどどんな夢にも
値札がついている

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