山本正之

月夜ノ兎 – 山本正之

豊年万作秋祭り ジジちゃんの家の土闇
従姉弟が六人膝寄せて 柳行李捌く
飛脚の脚絆や脇差や 矢立てに紛れこみ
越前和紙で綴られた 読み物見つけたよ
月夜ノ兎と 書かれた表紙
みんなで顔を見合わせて
一番大きの在所の子が
そろりと捲る !ぴょん!
昔し昔しその昔し 村を下って一丁歩
すすきの川原の橋の上 十六夜月のその晩に
踊る兎に 出くわした
めの子が美し女になって おの子が勇まし男になって
ととかか よろこんで あんころ餅くれた
うさぎ うさぎ 月夜ノ兎

従姉弟が六人腕組んで ジジちゃんの家を出る
祭りの提灯代わり持ち しりとりおわる頃
川原の橋へとやって来て 誰かが指さした
すすきの穂影か月影か 耳なが丸い背な
月夜ノ兎が 姿を見せた
みんなで腰を折り曲げて
一番小さの分家の子が
最初に跳ねる !ぴょん!
今だ今だそれ今だ 二人三人 四五六人
すすきの中から飛び出して 十六夜月のそのように
踊る兎を 囲んだら
めの子がまねして両手をぴょん おの子がつられておへそをぴょん
輪になって よろこんで でんぐらがって笑う
うさぎ うさぎ 月夜ノ兎

六人従姉弟の後つけた ジジちゃんが隠れてる
岩場に提灯立てかけて 様子を絵に画いた
踊るちびらのほっぺたに ちょちょいと髭つけて
真白いお顔に赤いめめ うさぎになっちゃった
月夜ノ兎の 童絵が
村のお寺の本堂に
貼られてみんなが集まって
驚いて跳ねる !ぴょん!
これはこれはえらいこと 俺らがの村の守り神
七福兎がお出ましだ あんころ供えて拝むべえ
踊る七影 十六夜に
光って眩しい兎だぴょん お餅の粉で真っ白ぴょん
こりゃまた 今年も 豊年万作くれた
うさぎ うさぎ 月夜ノ兎

ひゃらひゃら笛の音遠くなる ジジちゃんの家の寝間
従姉弟が六人重なって ハナちょうちん膨らます
見ている夢はそれぞれに 大人になった夢
誰もが兎の背を撫でて 慈しんでる夢
月夜ノ兎と 書かれた表紙
柳行李の蓋開けて
こっそり仕舞う皺ごつの
ジジちゃんの 手の中 !ぴょん!
今も今もこの今も 村を下って一丁歩
すすきの川原の橋の上 十六夜月のその晩に
踊る兎に 出くわせば
めの子は美人に健やかに おの子は強く夢成りに
ととかか よろこんで あんころ餅くれる
うさぎ うさぎ 月夜ノ兎
うさぎ うさぎ 月夜ノ兎
!ぴょん!

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