山本サヤカ

つくしの言伝 – 山本サヤカ

山間の白い道は 雪の轍 連れ添って
朽ちたバス停の文字は 行き先すら伝えない
瞳を閉じてそっと名を呼ぶ 雪原のつがいの足跡
途切れては 消えた場所

あの人がのこした翡翠の髪飾り 抱きしめ 祈る 幸せを
立ち昇る吐息は一片のぬくもり 真冬の空に色づけた

山間の雑木林 枝に残す雪化粧
とけた水を少しずつ 細い川に還してる
かつて二人で過ごした町に 風は蒼い息吹を連れて
吹き抜ける 春 近し

あの人がのこした言葉のお守りは 今でも胸に生きている
土から覗くのは つくしたちの頭 雲雀の声が響いてた

あの人がのこした言葉のお守りは 今でも胸に生きている
土から覗くのは つくしたちの頭 なつかしい声が聴こえるよ
雲間に射し込むは 優しい春の歌う声

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惜春 – 山本サヤカ

最後の荷物 まとめ終わって父さんが ぼんやりと畳の縁 さすった「遅くなるから そろそろ行こう」肩たたき 叔母さんさん笑う台所の灰皿は母さんの匂いがする弟の友達が

あの日の傘と初恋あざみ – 山本サヤカ

思い切り蹴飛ばした缶が空に煌き舞い上がり 太陽をはじいたふわりふわり長閑な雲は そう心を映すように 流されゆくまま迷い道を抜けた先 たどり着いた言の葉は一輪の儚

卒業証書 – 山本サヤカ

大嫌いだった教室は もう からっぽで黒板に連ねた みんなの名前にあの文字さがした初めて見せた君の涙と 卒業証書と好きのことば 言えずにつぶやく 小さなありがとう

たんぽぽの綿 – 山本サヤカ

古い古い箱の中 貝やビーズ 想い出に色褪せた手紙の束が混ざってたふるさとを離れ 巣立った私へ不器用な愛情 今に気づいて口もきかずに 拒んだ日々に涙流した 母の背

線路沿いの木苺 – 山本サヤカ

各駅停車の窓に 踏み切りの音が響く出逢っては別れゆく線路 そして また駅に着く曖昧な恋の終わりを 指のはさみで断ち切って今 桜 降る ホームに立ち 記憶と綴じた

ここにいるよ – 山本サヤカ

交差点を渡る人の群れに逆らえず空を見上げ あの雲に生まれた意味 探したよ誰もが迷い込む迷路で 明日への矢印を君がくれたひとりきりじゃないと 心にふれたその手君が

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