山本ゆき

恋しぐれ – 山本ゆき

肩に背中に ふる雨悲し
夜のすき間の 恋しぐれ
一夜二夜(ひとよふたよ)と 慕(おも)いを重ね
時間(とき)に抱かれた 宵化粧(よいげしょう)
おくれ髪(げ)を かきあげる
指もみれんの なみだぐせ

恋と云う名に 傘さしかけりゃ
こころ酔わせる 恋しぐれ
勝手気ままな あんたに惚れた
惚れたあんたは 酒の中
もう一度 あの頃に
慕(おも)いもどして くれますか

罪な夜風に 振りまわされた
女ごころの 恋しぐれ
いっそこのまま 諦めましょか
いいえそれとも 待ちましょか
悪戯(いたずら)に ふる雨は
季節はずれの通り雨

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