山本さと子

若狭恋唄 – 山本さと子

若狭蘇洞門(わかさそとも)のサー 潮恋鳥(しおこいどり)の
啼歌(うた)が身に沁むヨー 日の暮れは
あなた恋しと 乳房(むね)が哭(な)く
あの日恋しと 傷が哭く
あゝ…逢いたいよ
頬を涙が 走ります 走ります

海風(かぜ)の断崖(きりぎし)サー 吹雪に堪えて
香りほほえむヨー 花水仙
どこかおまえに 似てるよと
そっと肩さき 抱いたひと
あゝ…せつないよ
せめて夢でも 逢いにきて 逢いにきて

若狭小浜のサー 雪々々に
吐息かみしめヨー 春を待つ
北陸(きた)のおんなの恋唄は
波に吸われる 牡丹(ぼたん)雪
あゝ…恋しいよ
どうか届けて この想い この想い

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夢桜 – 山本さと子

新妻(にいづま)きどりで あ・な・たと呼べばちょっと照れてる よこがおが好き北向きの あゝ三畳一間(ひとま)いいのあなたと 一緒ならいつか咲きます 咲かせましょ

海峡花火 – 山本さと子

波の衣を かき分けて船は港を 後にする残る私は かごの鳥飛び立つカモメが 憎らしい恋はうたかた 海峡花火からむ はじける 涙がおちる咲いて 舞い散る 海峡花火あ

北鴎 – 山本さと子

海岸伝いの 岩肌を波がからんで かけ登るまして山背の吹くたそがれは心も細る きりきりとあなた あなた そばに来て寒がる肌を 抱きにきて辛い私の 身がわりに鳴いて

哀秋花 – 山本さと子

深づめ小指を かみながら淋しさあやして のんでますあなたのいた春 いない秋人恋しぐれに ほろほろと咲いて儚ない…咲いて儚ない… 酔芙蓉(すいふよう)誰にもいえな

東京雨ん中 – 山本さと子

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マーメイド – 山本さと子

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揺れて日本海 – 山本さと子

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春仕度 – 山本さと子

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花しぐれ – 山本さと子

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迷い橋 – 山本さと子

川面に流れる 花筏 咲いて悲しい 一年草あなた私が 見えますか 見えますかくちびるかみしめ 立ち尽くす逢える逢えない 迷い橋路地から聞こえる 風鈴の音が涙を ま

明日船 – 山本さと子

さようなら さようなら 許してあなた好きよ死ぬほど 大好きだから霧にかくれて しのび逢う愛のくらしが 苦しくて明日 明日明日という名の 出船に乗るのさようなら 

炎の川 – 山本さと子

あなただけあなただけ もうあなただけついて行かせて 次の世までもおんなに生まれた しあわせをどうぞ最初(いち)から おしえてね恋は 恋は炎(ひ)の川 燃えたつま

さみだれ川 – 山本さと子

みれん糸ひく 接吻(くちづけ)に決めた別れが ぐずりますこんなにつらい… 恋ならいっそ逢わなきゃ よかったと沸(な)いてすがれば 泪(なみだ)うらはらあゝ乱れさ

秘恋傘 – 山本さと子

枝垂(しだ)れ桜の はじらいをのぞく篝火(かがりび) 円山月夜(まるやまづきよ)待てど暮らせど 逢えない恋人(ひと)に焦(じ)れるおんなの 花乳房まるで人形… 

ぼんぼり小路 – 山本さと子

シトシトポツリと雨がぼんぼり小路を濡らすねえ疲れたでしょ傘もないのなら 寄り道していこうよきかせて胸に秘めたたとえば夢それとも恋飲みほせば一つ二つ三つ 窓を伝う

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