小畑実

勘太郎月夜唄 – 小畑実

影かやなぎか 勘太郎さんか
伊那は七谷 糸ひく煙り
棄てて別れた 故郷の月に
しのぶ今宵の ほととぎす

なりはやくざに やつれていても
月よ見てくれ こころの錦
生まれ変わって 天竜の水に
映す男の 晴れすがた

菊は栄える 葵は枯れる
桑を摘むころ 逢おうじゃないか
霧に消えゆく 一本刀
泣いて見送る 紅つつじ

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小判鮫の唄 – 小畑実

かけた情が いつわりならばなんで濡れよか 男の胸がかつら下地に ともしび揺れていつか浮き名の こぼれ紅好きといおうか 嫌いといおうか嘘と誠は 両花道よ仇な夜風に

東京ブルー・ムーン – 小畑実

ブルー・ムーン 東京の青い月影懐かしい 愛の光よ並木路 君と去りゆく 今宵はどこかで 薔薇が匂うようなどこかで 鳩が啼くようなあゝ 若いふたりのこころをブルー・

うたかたの恋 – 小畑実

山の煙よ さようならいで湯の里よ さようなら君をはるばる 訪ね来てむなしく帰る 波の上ひとり掛けてる 藤椅子の冷え冷え淋しい 白い船瀬戸の夕陽に また鳴らす未練

ヤンキー・セレネード – 小畑実

ヤンキー・セレネーデ幌馬車で 君と唄うたそがれの丘よバラ色雲 頬にうつり静かに流れる ギターの音ヤンキー・セレネーデ淡い恋ごころの歌ヤンキー・セレネーデ月淡く 

港のギター – 小畑実

風の噂を 頼りに来たが名もなき古い 港にははぐれ鴎の 鳴くばかりああ 誰故に 指折りかぞう 思い出かたずねたずねし あの夜の君は見知らぬ人の 宿に住む逢うもかな

青春の並木路 – 小畑実

青い並木路(みち) シネマの角(かど)よほらね あそこだよすてきじゃないか風にからんで ネクタイ赤く誰れを待つやら 煙草のけむり青い眼鏡が いきなこと恋の並木路

函館のランタン娘 – 小畑実

たれを待つのか ランタンともして霧に濡れてる あの娘白い手袋 目にしみるマフラピンクの 水玉模様ああ 恋の港 函館のランタン娘たれを呼ぶのか ランタン振り振り海

旅姿勘太郎 – 小畑実

風の吹きよで 塒が変わる気まま暮しの 身は旅がらすうかと惚れまい 他国の涯でどうせひと夜の 泣き別れなまじ情が 心に沁みてつきぬ思いは 有明月夜道は追分 戻ろか

平次八百八町の唄 – 小畑実

好きも嫌いも 胸三寸にうかといえない 男のこころ花の大江戸 八百八町仇な浮世の 風が吹くかけた謎なら 思案で解(と)けるなんと解こうか あの娘の素振り恋の投げ銭

ロマンス東京 – 小畑実

ロマンス東京 腕組みかわし春の歌声 軽やかにはずむ若さをリズムにのせて 踏むよステップ踊るルンバララララ 希望の 夢の町ロマンス東京 街から街へ星もかなでる セ

遊侠の群れ – 小畑実

男素肌に 大利根川の風が物いう 旅人すがたどこがねぐらか 今宵の宿かはいた草鞋(わらじ)の 緒が痛い義理も人情も 堅気が勝ちよやくざ渡世は 影さえ寒い照る日曇る

アメリカ通いの白い船 – 小畑実

小鳥さえずる 森蔭(もりかげ)すぎて丘にのぼれば 見える海晴れた汐路(しおじ)にけむり一(ひと)すじ今日も行く行くアメリカ通(がよ)いの白い船君と頬よせ あこが

波止場シャンソン – 小畑実

港灯りが 目にしみる男マドロス かもめ鳥ないてくれるな 俺らには月も波止場の エトランゼ海の青さにゃ 泣かないが陸(おか)の紅い灯 見りゃさびし行こかキャバレー

明日から明日から – 小畑実

明日から 明日から夢がたよりで 生きてゆく涙に 涙に濡れたエンジの ハンカチーフああ いつの日に 逢えるやら 再びさよならと それさえも心せつなく 星が降る夜霧

白い夜霧 – 小畑実

振り返る 街の角たたずみし 影一つ断ち切れぬ この想いへだて行く 白い夜の霧手をふれば 手を上げて繰り返し 胸でつぶやく言葉グッバイ今別れ いつの日に又逢わん 

連絡船の女 – 小畑実

涙抑(おさ)えて 桟橋(さんばし)行けばひびくドラの音(ね) 夜風の寒させめて投げよか あの日の人に青いテープの 一筋を花の都の 思い出秘めてひとりはるばる 旅

おしどり笠 – 小畑実

かえる燕か また来る雁か男なりゃこそ 一本刀追うてくれるな 気まぐれ旅を浮名散らしの 風が吹く好いちゃなるまい 好かれちゃ困るどうせ気ままな街道ぐらし富士の朝空

薔薇を召しませ – 小畑実

若いあこがれ 楽しい夢をそっと相呼(あいよ)ぶ 二つのこころ歓(よろこ)びの街に咲く ロマンスの甘い花君よ青春の 紅い薔薇 紅い薔薇召しませ薔薇を風にささやき 

長崎悲歌 – 小畑実

青い波散る 長崎の夜の巷(ちまた)に 咲く仇(あだ)花よなぜに降るのか 心の傷に更けて冷たい 霧の雨山も燃えるか 君ゆえに秘めてせつない 男のこころひとり牧場(

ロンドンの街角で – 小畑実

霧深き街から街へテームズの 河岸から河岸へ月に想いを誘われながらたずね廻るさがし廻る あの夜の瞳青春の薔薇を召せ召しませ薔薇をああ ロンドンの花売娘ガス燈の辻か

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