小町雪乃

すがり酒 – 小町雪乃

女がひとり 呑む酒なんて
味も素っ気も ありゃしない
そうね男は こりごりなのに
甘いことばに また惚れて
涙ほろりと すがり酒

手酌の冷酒(ひや)が じんじん染みて
お猪口持つ手も ふるえます
そうね男は 移り気きまま
花に戯(たわむ)れ 舞う蜂ね
胸にチクリと すがり酒

私の肩を やさしく抱いて
恋に酔わせて もう一度
そうね男は おんなの命
心許して また惚れて
夢を注ぎ足す すがり酒

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海峡おんな舟 – 小町雪乃

あなたのやさしさ 心の広さこの人だけはと 愛した私千里海原 星も見えない せつなさつらさたとえ 嵐に遭おうともあなたの港へ 海峡おんな舟漕いでも漕いでも あなた

京の雪 – 小町雪乃

京の加茂川 ちらちら小雪濡れたこころは淋しんぼついて行きたい…行けない人の恋に沈んだ いのちの花は…咲いてはかない 寒椿風の嵐山 はらはら涙夢もこごえて 淋しん

お別れ携帯電話 – 小町雪乃

「卒業します あなたから」メールでお別れ 五年の暮らし子猫みたいに 愛されたやさしいぬくもり ここち良く明日が見えなくなりました淋しいけれど つらいけど女の人生

みちのく雨情 – 小町雪乃

風のうわさを 訪ねてひとりきのう喜多方 きょう最上川一生一度の いのちの恋と遠く離れて 知りましたひと目逢いたい あの人にここは みちのく なみだの雨が降る湯も

心の花 – 小町雪乃

やっと出逢えた あなたと私ひとりぼっちは もういやよ心の花は 愛の花かたい絆を むすぶ花むすぶ花人の目を引き 足さえ止める桜ばかりが 花じゃない心の花は 人知れ

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