小沢健二

薫る(労働と学業) – 小沢健二

生み出すのだね
君の手と手が
この世にない
すばらしいもの

気がつくのだね
動物として
形のない 大切なこと

君が君の仕事をする時
偉大な宇宙が 薫る
あきらめることなくくり出される
毎日の技を見せつけてよ

君が作業のコツ 教えてくる
僕の心は溶けてしまう
それは
永遠の中の一瞬の
あるいは
一瞬の中の永遠の
喜びか?

消えてしまうよ
手でふれるたび
雪の結晶
神秘さもそう

君が君の学業をする時 偉大な宇宙が 薫る
おそれることもなき 好奇心を
図書館の机で見せつけてよ

どしゃぶりの雨の中で踊ろう
服も靴も脱いで
関係ないよ 大人も子どもも
どしゃぶりの雨がくれる 未来の虹
もう少しで 何が最高かは 変わるから

どしゃぶりの雨の中で騒ごう
フジロックみたいに
関係ないよ かっこ良くても 変でも
どしゃぶりの雨がくれる 未来の森
もう少しで 何がちょうどかは 変わるから

どしゃぶりの雨の中で恋を
してるみたいだよ
ついてゆくよ あっちでも そっちでも
どしゃぶりの雨に映る 未来の神秘
もう少しで 何が最高かは 変わるから

君が君の仕事をする時
偉大な宇宙が 薫る
嫌がられるほどの しつこさを
ここぞって場面で見せつけてよ

君が僕の歌を口ずさむ
僕はひそかに泣いちゃうんだよ

それは
男性の中の女性の
あるいは
女性の中の少年の
あるいは
少年の中の老人の
喜びか?

ありがとう 友よ
いてくれて
So kakkoii 宇宙の中に
暗い路地の壁に 森の木に
僕らがいたこと 標してこう

君が僕の歌を口ずさむ
約束するよ そばにいると
それは
軟弱の中の硬派の
あるいは
繊細の中の大胆の
あるいは
プレイボーイの中の初恋の
輝きか?

生み出してゆく
笑う目と目が
形のない
新しいもの

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