小椋佳

めまい – 小椋佳

時は私にめまいだけを残してゆく
だからワイングラスの角氷
眠りにつこうとする愛に
ささやかないで

時は私にめまいだけを残してゆく
だから小舟を運ぶ潮風よ
眠りにつこうとする愛を
揺り起こさないで

鏡に残ったあなたの後ろ姿
青い青い海が見える
さよならを書こうとした口紅が
折れてはじけた

時は私にめまいだけを残してゆく
だから暮れ染(なず)む海の夕渚よ
いかりをほどいてゆく船の
心留めて

鏡に残ったあなたの後ろ姿
青い青い海が見える
さよならを書こうとした口紅が
折れてはじけた

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公園に来て – 小椋佳

わずかばかりの緑にも 日だまりと日かげがある公園に来て俺達は ひとときのやすらぎをさがすしばらくはこうして 止まった時間をみていようまねのできない笑顔して ヨチ

あいつが死んだ – 小椋佳

あいつが死んだ生きたって死んだって 俺には同じと言いながらみんなが愛したのに 幸せの筈がどうしてあじさいの花を愛した あいつが死んだ夢なんか 望みなんかあいつに

街角へ来ると – 小椋佳

街角へ来ると たそがれの終り街角へ来ると かたらいのなごり粉雪の夜がふけていったあの人の肩も消えていったそれが 最後の夜それが 最後の雪雪より白い あの人死んで

雨だれの唄 – 小椋佳

雨だれの音が やさしかった雨だれの光が まぶしかった冬の嵐の雨のあとののきの日ざしが 朝を告げた運命のように 寄せた嵐に誓いをつなぐすべもしらず激しいうねりに 

砂漠の少年 – 小椋佳

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I LOVE YOU – 小椋佳

両手で 指で数える だけの恋なら 捨てよう両手で 抱いてあふれる ほどの君への 想いさ君を視つめて生きる時こそ僕のためと優しさが透きとおるNow, I Love

傾いた道しるべ – 小椋佳

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演歌みたいな別れでも – 小椋佳

どうはかない 夢だったのと下手な台詞は 云わないでくれ会えば涙が つらさを増すと手紙ならまだ 許せもするがなりゆきだけの 恋だったのか演歌みたいな 別れだね赤羽

古城の月 – 小椋佳

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花霞そして舞落葉 – 小椋佳

ひと時のあなたの吐息を受けてまどろむ私の夢のはかなさ知りたいと思うほどあなたにかかる花霞つかの間にん稍を飛びたつ鳥に似て遠いあなた 声も届かないひと時あなたの言

名もない魚 – 小椋佳

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海辺の恋 – 小椋佳

こぼれ松葉をかきあつめをとめのごとき君なりきこぼれ松葉に火をはなちわらべのごときわれなりきわらべとをめよりそひぬただたまゆらの火をかこみうれしくふたり手をとりぬ

屋根のない車 – 小椋佳

ある日公園で みたことのない大きな鳥がいたみたことのない 輝く鳥がいた屋根のない車にのって 俺は追いかけた空をかける その鳥を追い 街をすぎ去ったその鳥を追い 

この空の青さは – 小椋佳

帰るときめた夜が明ける一人よがりの 冬が終わるああ それにしてもこの空の青さはどうだこの雲の白さはどうだ僕はもう逃げない君が待ってる初めてのように夜が明ける一人

白い浜辺に – 小椋佳

白い浜辺に 日を浴びながら裸の君が かけてゆく白い浜辺に 腕ふって僕が汗をふきふきどうしても追いつけない昨夜の夢の話しさ白いかもめに ほほえみながらまぶしい君が

雨が降り時が流れて – 小椋佳

高原をゆく 子馬たちよまどやかに そして強くかけて行くんだ目かくしされた 馬車馬の親たちをあわれみながら追い越して行くんだ雨が降り時が流れて忘れ物をせぬうちに今

お前が行く朝 – 小椋佳

お前が行く朝 何を語ろう出発の日だというのに 雨の季節だ雨に霞んで お前の姿が消える時せめて大声で もう一度呼びあおうかお前が行く朝 何を祈ろう悲しいお別れじゃ

小さな街のプラタナス – 小椋佳

小さな街の 小さな恋小さな公園 大きな木大きな大きな プラタナス木の葉が一枚 舞っていた私はあの日 まだ子供あなたもあの日 まだ子供大きな大きな 黒い雲こわくて

愛がこわれそう – 小椋佳

ガラスの扉をたたくのは 誰きまぐれな言葉かと ふるえていますいつも笑顔で おどけてみせるさわやかな その仕草 胸にやきつく一度でも 愛してると言えば あなたは喜

陽だまりの仲間達 – 小椋佳

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