小柳ルミ子

やさしくして – 小柳ルミ子

いつの間にか 気がついたら あなたと
ともに暮らしていたわ 不思議だわ
傷ついた 小鳩が二羽 密やかに
身をよせあい 慰めあう 感じかしら
好きと言わなくても
抱いてくれなくても
安らぎが胸を つつむ
恋もいらない 愛もいらない
やさしくして やさしくして
死ぬまで

こんなふうに 思いがけず 最後の
人と出逢うのでしょう 不思議だわ
秋風に 吹かれ散った 病葉(わくらば)が
径のすみで 重なりあう 感じかしら
淡い闇の中で
影と影がそっと
よりそえば命 つづく
涙忘れて 過去も忘れて
やさしくして やさしくして
死ぬまで

好きと言わなくても
抱いてくれなくても
安らぎが胸を つつむ
恋もいらない 愛もいらない
やさしくして やさしくして
死ぬまで

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逢いたくて北国へ – 小柳ルミ子

ひと目だけでも逢えればいいと夜汽車にそのままとび乗った私は今 胸の片隅にひとこと聞きたいことがある「あなた本当に愛していますか少し迷っていませんか」捜すひとは 

だから京都 – 小柳ルミ子

燃えて一途な はかない花が風にもつれて 舞い上がる咲いて十日の短い命乱れ散るならそれもいいだから京都 抱きしめていてだから京都 せつないくらい焦がれるほどに 女

遠い母への子守唄 – 小柳ルミ子

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あなたの情愛だけで身体を包めたら心がこんなにも寒くふるえない抱かれているときも本当は淋しくて拒めば その背中冷たい壁になる夢は悲しい生き物 ちがう匂いが好きなら

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鳩 – 小柳ルミ子

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通りゃんせ帰りゃんせ – 小柳ルミ子

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螢火 – 小柳ルミ子

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ジョーク – 小柳ルミ子

私の涙に気付きあなたが投げかけるつくろったやさしさは何のつもり(ジョーク)今はただむなしい(ストップ・ザ・ジョーク)ギターみたいにうまくはいかないね(ジョーク)

南風 – 小柳ルミ子

愛したこころの ともし灯が消えない別れはつらすぎる襟を立てても ふせげない逃げてくぬくもり とまらない風よ 吹け吹け吹け 吹け吹け吹けせめて吹け 南風涙かわかす

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せせらぐ流れに ひと足早い秋気持ちはうれしいけれど私は残ります生まれたこの街 見捨ててゆけないの愛したあなたは旅人 ここが別れ道ああ それでも 待っています川面

スペインの雨 – 小柳ルミ子

時がたてば忘れられると誰もいう胸の傷に時間だけが薬だと一人旅は北をまわってヨーロッパパリに三日そして今はマドリードポツリポツリ やがて白く舗道を叩いて雨が降るし

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「僕を愛しちゃいけない」と別れ間際にひとことほほの涙を あなたはかくして列車に飛び乗った愛を失くして 何が残るの夢はあなたなのよ声は届かず 赤いランプが闇に消え

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