小林柊矢

かけたてのパーマネント – 小林柊矢

柔らかくも硬くもない
コレといってクセもないこの髪の毛
鏡の前
ひとつため息ついて目を擦る

「何かしないとやってらんねぇ!」
勢いで美容院に駆け込んだ
伸びた前髪は
いつもよりなぜか少し邪魔に思えた

昨日までの僕に別れを告げ
鏡の前でカーラーを外した

かけたてのパーマネント
不格好で笑っちゃうけど
新しい風の匂いがするよ
かけたてのパーマネント
いつか馴染んでゆく頃
その時の僕はきっと
君のことを忘れられてるかな

気分屋の君はラグビーボール
どっちへ転ぶのかわからない
そのスリルに踊らされて
生きるのが好きだった

いつか君は転がってったまま
僕の元へは帰って来なかった

こんな事で変わらないって
本当は分かってんだ
こんな馬鹿げた一歩も
いつか愛しく思えるかな

かけたてのパーマネント
不格好で笑っちゃうけど
新しい風の匂いがするよ
かけたてのパーマネント
いつか馴染んでゆく頃
その時の僕はきっと
君のことを忘れられてるかな

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