上海戦の 華と散り夫は護国の 鬼となる故国に残る 妻が身に有りて甲斐なき 黒髪よ夫の後を 慕いつゝ共に逝かんと 思えども無心に眠る 愛(いと)し児の君よ慈愛の 母なるぞ我が身に 残る一筋の道は尊き 母の道雄々しく 強く 生きんとて固く心に 誓いつゝ香煙縷々(るる)と たち登る御霊(みたま)の前に ぬかずきてたけなす髪を ぶっつりと切りて捨てたる 健気さよ