大貫妙子 & 坂本龍一
夏色の服 – 大貫妙子 & 坂本龍一
よく似合うと買ってくれた
夏色の服を
今年もひとりで 抱きしめて仕舞う
青いインクなくなるほど
愛しさを綴り
励ましなぐさめ
指さきが染まる
あなたを縛る想い出を
そっと解いてあげるのに
見上げる窓
夜の庭に 薔薇色に咲いて
ひっそり 私を遠ざけるように
愛におびえて
傷ついたあなたのそばで 暮したい
もう一度 春が来るように
よく似合うと買ってくれた
夏色の服を
今年もひとりで 抱きしめて仕舞う
青いインクなくなるほど
愛しさを綴り
励ましなぐさめ
指さきが染まる
あなたを縛る想い出を
そっと解いてあげるのに
見上げる窓
夜の庭に 薔薇色に咲いて
ひっそり 私を遠ざけるように
愛におびえて
傷ついたあなたのそばで 暮したい
もう一度 春が来るように
つないだ手に夏の匂い海へと続く道光る波と ひとひらの雲遠い蝉時雨山が燃えて草は枯れて瞳に秋の色風が立てば 心寒く陽だまりの冬求め続け待ちぼうけのあなたのいない季
汗を流そうごはんを食べようぐっすり眠ろうつま先まで無邪気に笑おうたくさん泣こう見たら助けよう手をのばして悲しいことばかり伝えてくるNEWS心の力で飛び越えようふ
会いたい人なら 会いに行けあの山を越えて 今すぐ会いに行け悩みがあるなら 旅に行け心を鍛えて 一人の旅に行けもうすぐ笛が鳴る白い駅を汽車は動き出す 君を乗せて愛
ひびわれた壁と 街路樹のむこうに笑い声が聞こえる 若いふたりの夢は剥ぎ取られ 輪郭を失い取り戻せない時を 私は歩いていく私はあなたと どこかですれ違う閉ざされた
夜露に濡れ その葉をたたむ幼い頃の 姿で眠る花は目覚め 月を仰ぐ名はネムノキ 夏の夜の満ちては欠けてゆく星霜の果てなくしたのだろうかソロモンの指輪を光と闇がつく
果てない宇宙で今日も夢を見た星も瞬たかぬ黒い闇の中で風に揺れている葦の茂る原波の打ちよせる砂丘に降る雪を待つ人の呼ぶ声は幾千の時を越え届くだろうただ ひたすらな
乾いた道をころがる太陽うちすてられた望郷の想い時の狭間をさまよう情熱空を映した瞳の色すべてを無くしすべてを手に入れ場末の店で踊るTangoあなたの前ではただの道
夕焼小焼の、赤とんぼ負われて見たのは、いつの日か山の畑の、桑の実を小籠に摘んだは、まぼろしか十五で姐やは、嫁に行きお里のたよりも、絶えはてた夕焼小焼の、赤とんぼ
眼差しの不実さと気高さに溺れていた狂おしい夏だった青空も 声も小さな死のようにこれ以上愛さない禁じる愛おしさで瞳は 傷口と知る魂の別々の惑星に僕たちは棲む双生児
はじめての場所静かな街ここであなたはおおきくなる庭さきに いま錆ついてる自転車がある息を秘めて今では他人と呼ばれるふたりに決して譲れぬ生き方があったとりとめもな