大塚まさじ

  • 十月のある木曜日 – 大塚まさじ

    何をすることもなく 狭い部屋を右左プレイヤーのレコードは変わることなく静かに回るサキソフォーンにベース ピアノとギターにドラム夕焼のジャズの波の中で耳をすましても声は聞こえない今日も何一つ唄い出せず ただタバコをふかすだけ 夜の暗さと月のあかりが 夕暮につられてやって来る路面電車のきします音が 俺を南の街へとさそういつもここにいたような気がする法善寺の路地裏あやしげなキャバレィーでは もう若くない…

  • ガムをかんで – 大塚まさじ

    朝目覚めると 窓の外がいつもとちがってる耳を澄ますと 聞こえてくるよ 君の声がいつもの部屋は 昨日とちがって光輝く夢の国 ガムをかんで 戸口に立とう通りを抜けると そこは丸木橋かわいい君に 一輪の花をこのままでいたいよね 君といっしょなら 川向こうへ行ってごらん 君を立たせるプラットホームに君を待つ汽車が止まっているから 終点まで乗ってごらんタンポポむせぶ春の野原に真赤な夕陽が見れるはず ガムをか…

  • サーカスにはピエロが – 大塚まさじ

    僕は今 両足を抱きかかえこの峠の上にすわってるこの道を最初に来た君といっしょに旅に出るために サーカスにはピエロがつきものなのさだっていつもいつも君が笑っているとは限らないものサーカスにはピエロがつきものなのさだって昨日の思い出に別れをつげるんだもの くるくる回る回転木馬に昨日の苦しみがしばりつけられて流れていくよ あなたの体からわずらわしい思い出といっしょに サーカスにはピエロがつきものなのさだ…

  • 茶色い帽子 – 大塚まさじ

    冷たい木箱に腰をおろして見えないものを見ようとするけどきっと何も見えないんだでも夢って欲しいね いつか雪が降り川が凍るとき君のあの声がきっと聞こえるだろうでも待てないそんなにながく淋しいおいらには 僕は黒い大きな帽子君は茶色いかわいい帽子でいつまでもいつまでも抱き合っていようよ 強がりばっかり言っていたけど退屈なゲームはこれでおしまいさ朝には知っておくれゲームって嘘だって 夕陽がどんなに淋しいもの…

  • うた – 大塚まさじ

    ざくろの花のオレンジを 六月の雨がそっとたたく時その下をくぐる僕の心は 鉛色の雲のように暗い口ずさむ歌は煙になって 青葉の群に吸いこまれる くたばってもいい 死んでもいい僕の血が そっくりそのまま声となり言葉となって今を時代を唄うなら 降りしきる雪のホワイトが 一月の屋根をふわりと飾る時その下で暮らす僕の心は ストーブの炎のように赤い口ずさむ歌は匂いになって 窓ガラスにまとわりつく くたばってもい…

  • ジプシーソング – 大塚まさじ

    君の唇 恋を夢見る 浮気なジプシー巻き風呼ぶよ 黒い瞳で 旅するジプシー摂氏百度の 燃える砂漠に おまえ誘って 俺も行こうか 陽気なジプシー馬車に揺られて 花をかざして いかれたジプシー砂漠抜けたら 何があるのか Bye-By 君にBye-ByBye-By 雲に浮かんだ 国境の町 見えるかジプシーモヤに霞んだ あの山向こう ふりむきジプシーおまえ奴に 最後のサヨナラ Bye-By 君にBye-By…

  • 果てしなき旅 (旅する連太) – 大塚まさじ

    彼は多くの川を知っているある日 かわいた喉を救ったのもある日 旅につかれた心をなぐさめたのも名も知らぬ川だったことを よく知っている多くの川を渡って 旅した彼には 今日も出かける あてのない明日への旅へでもたどりつける場所があるとは思ってないただ流れることだけが彼の命彼に会ったら聞いてみな どこから来たのって 彼は多くの人を知っているある日 北の町で出会った娘のこともある日 朝まで飲み合った漁師の…

  • シャバダバBaby – 大塚まさじ

    降りつづいた 黒い雨顔出した トロンボーンの朝黄色く破裂 つぐみの声空にはりついた 青いはばたき ドアーの前には 三足の靴君とぼくらの 三着の服「ごきげんよう」 ベッドの中寝がえりをうち 「おはようさん」 シャバダバBaby 優しい夢ぼくらにくれた 二本の傘シャバダバBaby ひっそりした肌戸口で見送る 夏の長い影 体の望み 果たしたあと耳傾ける 青い恋人ぼくらの歩いた 道程を優しい指が 辿ります…

  • アイノウタ – 大塚まさじ

    いつまでも さめることのないメロディーを くちづさんでいよう星降る夜 天使たちと ラプソディー終わりのないウタを どこまでも つづいている道歩いてく 愛し合いながら月夜の下 二つの影 ゆれながら踊っていようね 世界中の 女と男がさがしてる 永遠の愛を陽の光 輝く場所 見つけたら二人で出かけよう いつまでも さめることのないメロディーを くちづさんでいよう星降る夜 天使たちとラプソディー終わりのない…

  • 旅のスケッチ – 大塚まさじ

    汽車がひびかす旅の唄口づさんだら次の街誰かが呼んでる声がするぼくの行きたい場所がある雲までとどくこの道は永遠の扉へつづいてる魂の糸にみちびかれ今夜はどこで夢をみる 北の町では女に会った南の島で男に会ったどこへ行っても人は人愛した町で眠りたいあいつの笑顔に 会えたから今夜は朝まで 話そうか月までとどく 唄をうたい星といっしょに 踊りたい ぼくの旅は つづいてくぼくの唄も つづいてくこの世に愛が ある…

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