大場久美子

  • ミルキー・ウェイ – 大場久美子

    線路づたい 傘もささず肩に止まる しずくはらう迎えに来て くれるなんて思っても みなかったの赤いスポーツ・カーの 煙る窓に街並みが 晴れてゆく土曜日は MILKY WAY スピードの渦の中めざす都会は まるでニューヨークそして 手を振る 昨日の哀しみSHA-LA-LA… “元気だった?”そのことばあなたらしい 仲直りね急に雨が 降ったことも運命に 違いないのめぐり逢えた日の 空が見えるビル街の 隙…

  • フルーツ詩集 – 大場久美子

    両手に抱いた レモンの籠に夕陽がさせば プラム色都会の空は またたきはじめマスク・メロンの 月影揺れる二人よく来た フルーツ・パーラー想い出すたび 詩人になれるグラスの中の あの人がスカッシュの 泡のように 逃げて行ったあの日 私が 泣いてしまえば今の悲しみ なかった なかった 窓辺に置いた ガラスの鉢にオレンジ並ぶ キャンバスよ絵の具の筆を すべらせながら甘いしずくで 想い出洗うあれから来ない …

  • ハートのポプリ – 大場久美子

    今日は何かおきそうな予感そんな朝の中で初めてあなたを見かけたのあなたはまるでサンシャイン まぶしく見えたPop up Pop up しあわせ心つめこんだPop up Pop up ハートのポプリ あなたはローラースケートはいて私の心の中をグルグル走り回るのねかるいめまいを感じながら 私はノック・ダウンPop up Pop up しあわせ心つめこんだPop up Pop up ハートのポプリ 今度は…

  • キラキラ星あげる – 大場久美子

    キラキラ愛の星 キラキラ光る星Twinkle Twinkle コメットさん 幸せだと夜空だって 明るく見えるあなたのこと思いだすと 眩しくなる私の星をあげる キラキラ星をあげるあなたが好きだから誰にも見えない この星生まれたばかりの この愛私の心で そっと光ってますキラキラ いつまでも Twinkle Twinkle コメットさん あなたの目にあふれるのは 涙でしょうか忘れきれぬ出来事でも あるの…

  • 大人になれば – 大場久美子

    大人になれば チョコレートたべていろんな事を考えるものさ夢とはなんでしょう 恋とはなんでしょう甘くてにがい 味のものかなララララ ララ ちょっとまって青い空に とんでいって恋の味を そっとそっときいてみようララララ ララ ちょっとまって青い空に とんでいって恋の味を そっとそっときいてみよう 見わたす限り  空と波との青い海原に ひとり船うかべチョコレートひとつ 口にふくんで淡い面影 胸にだきしめ…

  • 二人のシナリオ – 大場久美子

    ポプラの並木 緑を増して微笑む貴方 見つけた私春の風吹く公園で探していたのよ ずっと ヨットが走る 波間に私ときめく胸の リズムで泳ぐ光のシャワー浴びながらあなたが浜辺を駈ける どこにもいるような二人だけどあなたへのこの気持ちいつもたった一つ 手編みのセーター間に合わなくてごめんねきっと来年になるいいよと笑う 照れてるの季節は秋へと急ぐ 冷たい雫 頬へと落ちるハンカチ出して ふけよと貴方喧嘩の後の…

  • サンモリッツ速達便 – 大場久美子

    サンモリッツ 銀河の尾根を 包む黄昏サンモリッツ 向かいのロッヂ 灯りがともる白い鎧戸 開け放したら雪の妖精 舞い降りてくる暖炉囲んだ アフター・スキーあなたがここに いてくれたならサンモリッツ 絵葉書ひとつ 出せない訳はサンモリッツ 宛て名の先に 続く言葉がないの Guitarの音と 陽気な声がゲレンデの外 聞えてくるわ暖炉燃えたつ アフター・スキーあなたの椅子が 淋しく揺れるサンモリッツ 銀河…

  • あなた – 大場久美子

    春風に 誘われたの読みかけの 小説閉じたら 出掛けよう揺れる陽ざし それはあなたに 逢える予感賑わう街角 ショーウィンドウ今日の私 どこか違う人ごみざわめく 交差点で突然あなた 振り向き 手を振ったの瞳を閉じても 渦巻く光に何故か軽い ため息ひとつ春風に 邪魔されたのほこり舞う 舗道にあなたが 隠れちゃう私熱く見ても 気づいていない あなた 公園ベンチに 一人座り本の続き 読んでるふりあなたは誰か…

  • カレッジ・シューズ – 大場久美子

    通った道の はずれにのぞくつたで飾った 時計台レンガの壁に めくれたポスターそこの色だけ あの頃のままよかかとつぶした カレッジ・シューズ夢に向かって 歩いていたわあなたと 肩を寄せ合った1枚きりの 記念写真胸のひき出し そっと開ければやさしい誰か 居る気がして くもった窓を 指でこすると電車が見えた 教室よあなたの名前 ペンで彫ってはあわてて消した あの日がまぶしいかかとつぶした カレッジ・シュ…

  • 遅い朝食 – 大場久美子

    おはよう それとも あと5分だけ レースのカーテン そっとめくれば見下ろす街は まだ眠たそうテラスに集まる 白い鳩に今日のサラダを 分けてあげたいカフェ・オレ注いだ 香りに乗って誰かの口笛 耳に届いた サイフォン カタコト 部屋の片隅映した街も ざわめき出した生まれたばかりの 風と共にチャペルの屋根に 鳩が飛んだわおはよう 時計は もうアフタヌーン公園並木を 一人歩こう おはよう 時計は もうアフ…

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