増位山太志郎

  • おとなの春に… – 増位山太志郎

    髪の匂いも なつかしい古いピアノの カウンター倖(しあわ)せなのか 独(ひと)りでいるかただいとしくて きけなくても一度愛が 愛が 芽生えそう俺とおまえの おとなの春に… 爪もきれいな 桜色涙ぐむ癖 変わらないどちらのせいで 別れたなんて窓打つ雨が 流すからさがした愛が 愛が 芽生えそう冬を過ごして おとなの春に… 酔って甘えて いいんだよ街の灯りが 消えて行くからめた指と かすかな吐息瞳を交(か…

  • 桜よ散るがいい – 増位山太志郎

    欲を持たなきゃ よく見える人の心も この世のなかも桜よはらはら 桜よはかなく 散るがいい孤独がみがいた 魂が教えてくれる 行く道をああ夜があける どこへこの国 向かおうとおのれ信念 つらぬくだけさ桜よ無情を 桜よ嘆いて 散るがいい男の誇りが あるならば誰かのあとを のこのことああ歩くなよ 心さだめて 生き抜いて死んでゆくのさ 無冠のままで桜よ嵐に 桜よみごとに 散るがいいこの世に生まれた この命や…

  • かならず明日はやってくる – 増位山太志郎

    肌を刺すよな 今夜の雨はぐっと堪える なみだ雨つらい時代(とき)こそ 微笑んで胸に希望の 灯(ひ)をともす星の見えない夜にも ひとり孤独な夜にも忘れないで… 忘れないでかならず明日はやってくる 花も散りそな 今夜の風は荒れるこの世の 向かい風つらい時代(とき)こそ 空見上げ胸に咲かせる 夢がある膝を抱える夜にも ひとり眠れぬ夜にも誰にだって… 誰にだってかならず明日はやってくる 星の見えない夜にも…

  • 別れの彼方 – 増位山太志郎

    今にも散りそな 花びらが涙こらえて しがみつく桜 ひらひら ひらひらと添えぬ運命(さだめ)に 背を向けて明日をさがすの 別れの彼方に 真夏の月夜に 殻を脱ぎ燃えて焦がれる 蝉しぐれ胸が じりじり じりじりと過ぎたあの日が 恋しくて明日をさがすの 別れの彼方に 凍てつく寒さを 耐え抜いて咲かす生命(いのち)の 冬牡丹雪が しんしん しんしんといつか逢える日 夢にみて明日をさがすの 別れの彼方に 人気…

  • 涙の夜風 – 増位山太志郎

    世間の噂に はらはらと散るも哀しい 恋の花去り行くあなたの 後ろ影沁みる涙の 沁みる涙の 夜の風 愛してみたって この手には届くはずない 恋でしたあなたのためです 身を引いてひとり涙の ひとり涙の 夜の風 七日に一度の 忍び逢い夢を見ました 幸せの添えない二人の 運命(さだめ)ならしょせん涙の しょせん涙の 夜の風 この恋このまま 続けても胸に深まる 傷の跡思い出抱きしめ 見送ればつらい涙の つら…

  • 北国なみだ雨 – 増位山太志郎

    あなたの噂を 足跡を雨が冷たく 消して行くひと目だけでも ひと目だけでも 逢いたくてしずく哀しい 北国 なみだ雨 あなたの写真を 手がかりにたずね歩いた 北の町何で黙って 何で黙って 消えたのよ未練跡引く 北国 なみだ雨 優しく抱かれた あの夜が忘れられない また浮かぶ揺れる面影 揺れる面影 せつなくて滲(にじ)む町の灯 北国 なみだ雨 二ケ月(ふたつき)遅れの すれ違い逢えぬ運命(さだめ)か も…

  • 本気で惚れた人 – 増位山太志郎

    もしも私が 見捨てたらきっとあなたは 駄目になる決めたのよ 決めたのよ何があろうと 支えます女泣かせの 人でもいいのだって本気で本気で 本気で惚れた人 髪を切ったら 似合うよと嬉しがらせを いうあなた決めたのよ 決めたのよあんな男と 言わないで女泣かせの 人でもいいのだって本気で本気で 本気で惚れた人 そっとあなたの お財布に足しておきます お小遣い決めたのよ 決めたのよ覚悟してます 苦労なら女泣…

  • ごめんよ麗子 – 増位山太志郎

    窓に小雨が そぼ降る夜は過去(むかし)の女を 思い出すあんなに尽くして くれたのに冷たく背中を 向けて来たごめんよ麗子 おまえに会いたい 長い黒髪 エプロン姿離してしまった 安らぎを二人で暮らした アパートは今でも残って いるだろかごめんよ麗子 おまえに会いたい せめて一言(ひとこと) 謝りたくて泣いてはいないか 今頃は幸せ見つけて いるのなら心をかすめる ほろ苦さごめんよ麗子 おまえに会いたい …

  • 今日からふたり – 増位山太志郎

    一度や二度のつまずきなんて誰にもあるさ 忘れろ忘れろよ泣いて昔を 振り返るよりも明日の倖せ 見つけりゃいいさ今日からふたり おまえとふたり生きてゆくんだよ おまえが差し出すその指先に伝わる温もり 信じろ信じろよどんな小さな 花でもいいから咲かせてみようよ 何処かできっと今日からふたり おまえとふたり生きてゆくんだよ 似たよな傷もつふたりじゃないかいたわりあえば いいんだいいんだよ寒い北風 耐えてし…

  • 夢酒場 – 増位山太志郎

    ここから逃げだしたなら しあわせだろうたとえば南の島で ひとりでくらせばだけど男の肩には 荷物が多いどこに置こうか だれにたのもうすべさえなくて酒場で見果てぬ 夢追いかける 思えば少年のころのぞんだものをどれほど手にしただろう 指折りかぞえるグラス片手にしばしの 空想旅行一つ悲しみ 二つみちたり三つで泣いてため息色した 夢かけめぐる だれにも言わないでいた 宝の箱を男はこころの中に かくしているの…

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