堀内孝雄

東京発 – 堀内孝雄

雨がみぞれに 変わる頃
時計の針が昔に戻る
あなたを忘れる手だてもなくて
心は今も篭の鳥

東京発 北国へ
雪にこの身をさらしたら
断ち切ることが出来ますか
焦がれる思いをひとつづつ

すこしばかりの身支度を
整える度 あなたが映る
こぼれる涙も おもいでさえも
あなたがくれた置土産

東京発 北国へ
肌に寒さがからみつく
吹雪にじゃれる海猫を
下りの電車(れっしゃ)が追いかける

東京発 北国へ
雪にこの身をさらしたら
断ち切ることが出来ますか
焦がれる思いをひとつづつ
焦がれる思いをひとつづつ

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男達のララバイ – 堀内孝雄

男に渡れぬ 川がある女という名の 川がある渡り切れない 向こう岸ひとり酒場で 夢を見る男は誰でも 根なし草背中に淋しい 顔がある雨の降る夜は 尚更に過ぎた昔が 

竹とんぼ – 堀内孝雄

「今は我慢しよう 俺たち一緒に夢を飛ばしてきた 竹とんぼじゃないか」砂を噛むような こんな人の世に誰かひとりでも 信じ合えるなら夢がささくれて 人生(みち)に迷

カラスの女房 – 堀内孝雄

お酒をのめば 忘れ草いいことばっかり あんたは言ってカラスみたいに どこかへ帰るそれでも心底 惚れているから一生このまま 待つだけの電信柱でいいからさ今度生まれ

時の流れに – 堀内孝雄

おまえのために作ったうたも忘れてしまったいくとしぶりに歩く町も姿を変え懐かしい友に会った 昔の面影はそのままくちづけだけで別れた恋 あの人はとなりの町で 幸せに

面影橋 – 堀内孝雄

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花影の道 – 堀内孝雄

月に叢雲 花に風望まぬものの訪れも君は清やかに微笑み浮かべ澄んだ瞳は瞬きもせず心の誓い心の惑い白い素肌に秘めて謎めく燃える思いを抱きながら君を讃えて見つめよう雨

顔 – 堀内孝雄

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それでも月は – 堀内孝雄

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笑うは薬 – 堀内孝雄

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北斗を仰ぎみれば – 堀内孝雄

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夢の道草 – 堀内孝雄

日暮れ間近の せつなさがやがて涙を 連れてくる燃えて焦がれて 抱かれてもそれも今では 絵空事ふたりでいても ふたりが辛いひとりでいれば なかさら辛い夢の道草 く

坂道のむこう – 堀内孝雄

駅まで続くゆるやかな この坂道もいまではひとり歩けない 車椅子の妻(キミ)はもう人生にこしかけて いればいいんだよいつでも後ろふりむけば 俺が 俺がいるから長い

人生雨のち時々晴れ – 堀内孝雄

思えば何年 通っただろう桜並木の この道を時代はいつも 一歩先を悩んだことも 数知れず幸せ計る 物差しなんかきっとどこにも ないけれど不器用だけど 生きてきた時

河 – 堀内孝雄

今なら笑って 言えるけどひとり悩んだ あの頃をおもいで達に ケリつけてぐっと飲み干す 居酒屋で人生は 河のように流れ続けて 背を向けるあきらめないで 越えていく

かくれんぼ – 堀内孝雄

酔えば悲しい 流行歌(はやりうた)身の上ばなしと 良く似てる窓にしぐれの この都会(まち)にゃいいことひとつも なかったけれど一日2本の 煙草を吸ってうすいお酒

月夜のうさぎ – 堀内孝雄

月にうさぎがいた時代あんたに逢えてりゃ 良かったね胸のまん中 痛むけど惚れてみたって 他人(ひと)の男(もの)ああ 恋がさね ああ 罪がさねいっそこのまま 女を

よろこび節 – 堀内孝雄

つまらないこと気にしたら つまづいちゃうのよ人間は誰がもうけて損をした そんな話で明け暮れて横断歩道で 空、見ても月が出てなきゃ ツキがないトコトン、トコトン 

愛の話は – 堀内孝雄

お前はお前 俺は俺自由勝手を性分(しょうぶん)にしてはぐれもよしと 暮らす心にも孤独な犬の 遠吠えに似て人恋し 人恋しいと時折響く 声がある愛の話は 苦手なはず

忘我奪魂 – 堀内孝雄

年経れば 安心立命(あんしんりつめい)晴耕雨読(せいこううどく) 閑雅(かんが)の境地(きょうち)そんな世界に 立ち至るかと 思い描いて来たけれど年経れば 恋を

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