城所葵

桜空 – 城所葵

はらはら舞い落ちるさくら

今宵咲く 水面の月 怪しげに 揺れている
心の鈎(かぎ)を開け放ち ともに泣きたい
叫んでも もがいても 二度と咲かない花 散る散る散る

朱(あけ)の空 光る月 いま両手からこぼれゆく
あなたには この空が 見えているでしょうか
もう二度と 会えなくとも どうかご無事で

寒いへや慣れたころは 半年が過ぎていた
ひとりぼっちも慣れたけど つなぐ手が無い

思い出 探しても 戻らない時の鐘 鳴る鳴る鳴る

薄紅の 淡い空 手を伸ばしても届かない
あなたへの この想い 雲のように浮かべて

ちらちら 雪が降って もうすぐ 春 さくらが咲く

朱の空 光る月 この両手でかき集めて
あなたへと この空を 贈りたいのです
幸せに幸せになって 生きて 生きて…

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