埋火
遠い散歩 – 埋火
なにもない ここがすき
なにもない あなたがいい
手の鳴る方へ 静かに這う呼吸
だれもいない だれも知らない
なにもない ここがすき
なにもかわらない ことがときに
怖さを増すのです 踵を返して歩くのです
だれにも言えない だれも知らない
遠くて 近い人
遠くて 速い日と
ひとつのこと そうぞうで
きること
だれもいない
だれも知らない
なにも言えない
だれもいない
なにもない ここがすき
なにもない あなたがいい
手の鳴る方へ 静かに這う呼吸
だれもいない だれも知らない
なにもない ここがすき
なにもかわらない ことがときに
怖さを増すのです 踵を返して歩くのです
だれにも言えない だれも知らない
遠くて 近い人
遠くて 速い日と
ひとつのこと そうぞうで
きること
だれもいない
だれも知らない
なにも言えない
だれもいない
経ち疲れて 朝のねごとおわったこと全てがただそこにあったときただ それだけのこと通りを歩く 静かに汚れた美しさを話す相手もいないままただ それだけのこと最期に目
開いた本のページの中から飛び出たような一日でした約束をひとつ誰にもいわずに守ることだけでいっぱいでした嘘をつくのなら はにかむように視線は低く影にひそめて左手で
雪解け間近 消えない埋火たゆたう人の頭の弱いこと匂配のきつい坂を嫌うくせに意固地になって田舎に残るひと成らない柿の木 青い魚「あぁもう… いひひ」兄と妹 赤提灯
漂うのはわたしのふね ただひとつ会えてうれしい人などいやしない次の町までは春をついやす独り言さえ行くてに溶けて反転する空をかみ 日々の恥百舌のさえずり「キィ」と
何度目の朝 泣いて起きた悲しい夢の始まりだったようななにもなにもない なにもないような思いだそうと「あれ?なんだっけ」もっとしなやかに吸いとった君の心に 僕はカ
ひきしおのにおいと いくつかのなぞなぞ解いたり 唱えたり夕立で生まれかわる まちのいろが増すころわすれられる過去みちしおのリズムと いくつかのなぞなぞ解いたり
装丁のきれいな本を 頂きました どうもありがとう朝 昼 夕いつも ひまをみつけてはめくっています難しい漢字なんかもありますがそよ風 晩夏 いつかの もえる若草色
さよならばかりして ここまできたもの道々、道草を問うてうなだれあたりいちめん 菜の花畑揺れて揺り揺られて ここまできたものあの日と人のうた忘れる前に思い出さずに
いろとりどりのとり 水面に映えてこれが最後だと 知らずに 笑いながら手をふる 手をふる ルルル手をふってたんだ果てない時間と やまない雨は毎日のことだものわすれ
雨上がり 低く沈む雲風は北から少しだけ届けない歌はハミングにかえて「そんな簡単にわかるわけないでしょうよ」気にかかることは忘れて 少しだけ見上げるあんたが いな