君島大空

花曇 – 君島大空

ここは繋がったままの瞼 閉じたら開いた扉
空すら吸い込む ふざけた電飾の渦も届かない場所

したり顔のまま出てきてよ 君に会いにきた
いつか、あなたに来た手紙と

浅い眠りを泳ぎだした二人
身を捩る夢の中 体を抜けてゆく
春の歌が聴こえるまでお前は忘れて笑っているんだ

壊れた鏡を並べて誰か喋り出すの
肌の下、目眩の徒然を、針狂す指が星を結わえたことも

鞄の中は散らかったままで霧が晴れてしまって

諄い雨音に過ぎたまんまの春が聴こえてきても
さあ行こう、息解くよ
こんなにも瓦落多に寄りかかった
騒がしい街が今更振り向いて
君の名前を呼び出すけれど
何も覚えてないふりをしてね

「ねえ昨日が壊れても何も怖くない?」
頼りなく嘲笑った夜の底に鍵を落としてしまっても
僕が繰り返す錆びた雨など届かぬように

きっと花曇の白い胸に波は寄せて
頬を冷やすひび割れた風と溶けて流れ出せ

ここは繋がった瞼 いつか誰かが閉ざした扉

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銃口 – 君島大空

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