吉田真里子

街路樹の町 – 吉田真里子

バス通り 昼下がり
日除けおろし うたた寝の街に
好きだったベーカリー
バゲット焼ける時間 知ってる

立ち止まったら変わらぬにおいに
なつかしがってる私 不思議なの

ふいに名前を あなたに呼ばれそう
振り向けば 坂道を急ぎ
じらしたいのに 笑顔がこぼれてく
そんな恋 見つめてた町

カウベルの響くドア
寄り道して 通ったお店よ
止めていた自転車に
秋の葉 降り積むまで話した

バナナジュースを飲んだら帰ろう
制服の群れ戻る その前に

ずっとあなたと 一緒にいたかった
でも違う夢がね叶って
さよなら言った あの日を忘れない
くちづけはせつないエール

ふいに名前を あなたに呼ばれそう
でも今はそれぞれの町で
新しい恋 あなたはしてますか
つらいけど 応援してる

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