よこがお – 吉田このみ

通り過ぎてゆく街並み　あなたを想うバスの中
気持ちを伝えられないまま　今日も1人帰ってゆく
開いた手帳を眺めては　ため息がこぼれ落ちていく
次にあなたに会える日は 10日後だって気付く

赤信号バスが止まった時　切ない気持ち込み上げてきた
振り返ればあなたのいる場所は　もうあんなに遠い所に

どうしてだろう臆病になってく　こんなにも胸の奥が痛い
一歩踏み出せる勇気が欲しくて　溢れる涙をこらえた

通い始めて　もうこんなに月日は流れているのに
あなたとの時間そして距離は　ずっと動かないままだよ

ここにいる間はあなたの側にいれる
それだけで充分かもしれない　だけど何度もこう思うんだ
その瞳　その微笑みの中に　入ってゆきたい

胸にしまった使えない気持ちを　どうかどうか受け取ってくれませんか
窓の向こう行きかう車に　言葉はかき消された

あなたのそのよこがおは遠くて　ちぎれ落ちた言葉を拾い集める
つながらない私を残して　それでもバスは動いた

通り過ぎてゆく街並み　あなたを想うバスの中
変わりゆく景色と共に　今日も1人帰ってゆく