叶弦大

暖簾出してます – 叶弦大

寒いわね 今夜もね 泣きたくなるくらい
お馴染みさん 待ってたわ 一人じゃ寂しくて
うちの人 出ていって 三ヶ月(みつき)になるかしら
好きだった このお酒 届いているのにね
窓の外 ちらちらと 名残りの雪が降る
人肌で いいですか 今夜も暖簾出してます

この店を 閉めようと 思った時もある
未練よね あの人が ふらりと寄るようで
ごめんなさい 愚痴ばかり 流して聞いといて
私なら もう少し 一人で呑んでるわ
面影が ちらちらと 今でも過(よ)ぎるのよ
待ち侘びて 泣き笑い 今夜も暖簾出してます

窓の外 ちらちらと 名残りの雪が降る
春を待つ 北の町 今夜も暖簾出してます

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北へ – 叶弦大

名もない港に 桃の花は咲けど旅の町には やすらぎはないさお前と別れた むなしさ抱いて俺は明日もまた北へ流れるお前のやさしさ 酒に浮かべひとり遠い霧笛に あの夜を

酒はこの世の贈り物 – 叶弦大

まわり道して 裏通りひとり背中の 男酒遠く離れた 親父にも酒が会わせて くれるだろあぁ…酔って酔って 子供に帰ればいいさ酔って 酔って酔って あの日に戻ればいい

マンハッタン・ブルース – 叶弦大

愛を信じて やって来た夢を育てた あの頃にかえして欲しい おろかな私すすり泣いてるマンハッタン・ブルース恋を忘れて 飲む酒も酔って踊れば 想い出がむなしく燃える

想い出の恋人 – 叶弦大

ただひとり 旅に出たのさ太陽と 恋をもとめて緑なす ヤシの葉かげで涙ぐむ 君に出会ったどうしたの…ときいたらうつむいて 指をかんでた君よ磯波の音もやさしく僕達を

おまえは泣くな – 叶弦大

ひとりで泣くな 誰にも聞くな俺の事など 探すな遠い 遠い どこかの町で明日がにじむ 男の涙俺が泣くからおまえは おまえは泣くなひとりじゃだめだ 待ってちゃだめだ

中仙道 – 叶弦大

旅の空日暮れて 街道に湯煙りが流れる 宿場町遠く離れりゃ おまえの顔がじんと旅籠(はたご)の 灯(ひ)に点(とも)る鳥居峠の 御岳(おんたけ)さんよ恋しじゃない

酒場 – 叶弦大

どこにもあるような 酒場の片隅でひとりで呑む酒に あいつが眼に浮かぶ薄いしあわせを 酔ってまぎらわす女の背中の さみしさが泣いて 泣いてた…忘れないさだめに流さ

旅の居酒屋 – 叶弦大

乗り替え駅から ほんの五分も歩いたら「岬」という名の 店があるたしかあいつが そこに居たとか いう噂逢っていこうか 逢わずに行こうか…何処へさすらう 男がひとり

昔の名前で出ています – 叶弦大

京都にいるときゃ 忍と呼ばれたの神戸じゃ渚と 名乗ったの横浜(はま)の酒場に 戻ったその日からあなたがさがして くれるの待つわ昔の名前で 出ています忘れたことな

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