叶弦大

想い出の恋人 – 叶弦大

ただひとり 旅に出たのさ
太陽と 恋をもとめて
緑なす ヤシの葉かげで
涙ぐむ 君に出会った
どうしたの…ときいたら
うつむいて 指をかんでた君よ
磯波の音もやさしく
僕達をつつんでくれたね

淋しかった 僕の心に
幸せな 夢が芽ばえた
いつのまに 海は日暮れて
金色の 波がゆれてた
おくろうか…と言ったら
僕の手を にぎりしめてた君よ
あの時の 甘いときめき
この胸を せつなくゆするよ

さよなら…と言ったら
泣いていた白いうなじの君よ
もう一度 君に会いたい
その時は はなしはしないぜ

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北へ – 叶弦大

名もない港に 桃の花は咲けど旅の町には やすらぎはないさお前と別れた むなしさ抱いて俺は明日もまた北へ流れるお前のやさしさ 酒に浮かべひとり遠い霧笛に あの夜を

酒はこの世の贈り物 – 叶弦大

まわり道して 裏通りひとり背中の 男酒遠く離れた 親父にも酒が会わせて くれるだろあぁ…酔って酔って 子供に帰ればいいさ酔って 酔って酔って あの日に戻ればいい

暖簾出してます – 叶弦大

寒いわね 今夜もね 泣きたくなるくらいお馴染みさん 待ってたわ 一人じゃ寂しくてうちの人 出ていって 三ヶ月(みつき)になるかしら好きだった このお酒 届いてい

マンハッタン・ブルース – 叶弦大

愛を信じて やって来た夢を育てた あの頃にかえして欲しい おろかな私すすり泣いてるマンハッタン・ブルース恋を忘れて 飲む酒も酔って踊れば 想い出がむなしく燃える

おまえは泣くな – 叶弦大

ひとりで泣くな 誰にも聞くな俺の事など 探すな遠い 遠い どこかの町で明日がにじむ 男の涙俺が泣くからおまえは おまえは泣くなひとりじゃだめだ 待ってちゃだめだ

中仙道 – 叶弦大

旅の空日暮れて 街道に湯煙りが流れる 宿場町遠く離れりゃ おまえの顔がじんと旅籠(はたご)の 灯(ひ)に点(とも)る鳥居峠の 御岳(おんたけ)さんよ恋しじゃない

酒場 – 叶弦大

どこにもあるような 酒場の片隅でひとりで呑む酒に あいつが眼に浮かぶ薄いしあわせを 酔ってまぎらわす女の背中の さみしさが泣いて 泣いてた…忘れないさだめに流さ

旅の居酒屋 – 叶弦大

乗り替え駅から ほんの五分も歩いたら「岬」という名の 店があるたしかあいつが そこに居たとか いう噂逢っていこうか 逢わずに行こうか…何処へさすらう 男がひとり

昔の名前で出ています – 叶弦大

京都にいるときゃ 忍と呼ばれたの神戸じゃ渚と 名乗ったの横浜(はま)の酒場に 戻ったその日からあなたがさがして くれるの待つわ昔の名前で 出ています忘れたことな

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