叶弦大

中仙道 – 叶弦大

旅の空日暮れて 街道に
湯煙りが流れる 宿場町
遠く離れりゃ おまえの顔が
じんと旅籠(はたご)の 灯(ひ)に点(とも)る
鳥居峠の 御岳(おんたけ)さんよ
恋しじゃないか
おやじもう一杯 冷やでついでくれ
落ち葉くるくる風に飛ぶ ああ中仙道

ちぎれ雲流れて 何処へゆく
木曽駒はもうすぐ 冬仕度
杉の木立の 街道越えりゃ
今日は妻籠(つまご)の 宿(しゅく)あたり
落ち葉しぐれか おまえの声か
背中(せな)で哭いた
おやじもう一杯 冷やでついでくれ
旅の寒さが身に泌みる ああ中仙道

明日は帰ろか おまえの町へ
さすらい虫よ
おやじもう一杯 冷やでついでくれ
江戸はこれより八十里 ああ中仙道

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北へ – 叶弦大

名もない港に 桃の花は咲けど旅の町には やすらぎはないさお前と別れた むなしさ抱いて俺は明日もまた北へ流れるお前のやさしさ 酒に浮かべひとり遠い霧笛に あの夜を

酒はこの世の贈り物 – 叶弦大

まわり道して 裏通りひとり背中の 男酒遠く離れた 親父にも酒が会わせて くれるだろあぁ…酔って酔って 子供に帰ればいいさ酔って 酔って酔って あの日に戻ればいい

暖簾出してます – 叶弦大

寒いわね 今夜もね 泣きたくなるくらいお馴染みさん 待ってたわ 一人じゃ寂しくてうちの人 出ていって 三ヶ月(みつき)になるかしら好きだった このお酒 届いてい

マンハッタン・ブルース – 叶弦大

愛を信じて やって来た夢を育てた あの頃にかえして欲しい おろかな私すすり泣いてるマンハッタン・ブルース恋を忘れて 飲む酒も酔って踊れば 想い出がむなしく燃える

想い出の恋人 – 叶弦大

ただひとり 旅に出たのさ太陽と 恋をもとめて緑なす ヤシの葉かげで涙ぐむ 君に出会ったどうしたの…ときいたらうつむいて 指をかんでた君よ磯波の音もやさしく僕達を

おまえは泣くな – 叶弦大

ひとりで泣くな 誰にも聞くな俺の事など 探すな遠い 遠い どこかの町で明日がにじむ 男の涙俺が泣くからおまえは おまえは泣くなひとりじゃだめだ 待ってちゃだめだ

酒場 – 叶弦大

どこにもあるような 酒場の片隅でひとりで呑む酒に あいつが眼に浮かぶ薄いしあわせを 酔ってまぎらわす女の背中の さみしさが泣いて 泣いてた…忘れないさだめに流さ

旅の居酒屋 – 叶弦大

乗り替え駅から ほんの五分も歩いたら「岬」という名の 店があるたしかあいつが そこに居たとか いう噂逢っていこうか 逢わずに行こうか…何処へさすらう 男がひとり

昔の名前で出ています – 叶弦大

京都にいるときゃ 忍と呼ばれたの神戸じゃ渚と 名乗ったの横浜(はま)の酒場に 戻ったその日からあなたがさがして くれるの待つわ昔の名前で 出ています忘れたことな

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