古谷一行

妹に – 古谷一行

妹よおまえも屹度 気付いているだろうが
今度の夜汽車であいつは 帰らぬ旅に出るよ
そんなあいつに惚れた
おまえは可哀そうだけれど
妹よあいつの事だけは
分かって欲しいのさ
いつも自由なあいつを 今は追わないでやれ

妹よおまえの事を とても心配してたよ
だけど口には出せずに 遠くを見つめてたよ
紙くずみたいなものさと
笑って旅に出るけれど
妹よあいつの事だけは
分かって欲しいのさ
ひとつ季節がめぐったら あいつに逢いに行け

あいつの心を少し
呼びもどしそうにした
妹よあいつの事だけは
分かって欲しいのさ
うなだれたおまえの背中に 雨がまた降りかかる

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