古川由彩

はじめましての5秒間 – 古川由彩

朝が弱い君のため
淹れたコーヒーはもう冷えた
砂糖とミルクを入れて飲み干した

写真が苦手な君との唯一の写真
写り悪くて飾ってなかったけど
それでよかったのかも

最後の瞬間はあまりにも
呆気なくて涙も出ないよ
カップを残しておくのも
やっぱやめた方がいいかな

空っぽになった脳内で
思い出されるのはいつも
君と初めて出会った5秒間

雨の日 アスファルトの匂い
少し癖のある髪の毛も
今でもずっと覚えてるよ

最後の瞬間はあまりにも
呆気なくて涙も出ないよ
君の帰りを待つのは
もうやめた方がいいよね

恋に落ちたあの5秒も
今日も同じ雨模様なんて
思い出してしまうよ
思い出にしてしまおう

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