叙情四重奏「カノン」

夕景 – 叙情四重奏「カノン」

あゝ言葉の隙間埋める様に
古い自販機で二つソーダを買って
誰もいないホームに二人きり
できるだけ普通にしていたかったけど

“指切り、いつかこの場所で きっとまた会える”って
“その日も変わらない貴方でいて”
答えは言えぬままこの手握り返した
泪声悟られるのが怖かったから

あゝ気付けば西の空は燃えて
並ぶ二つの影が細く伸びた
遠くから響く汽笛の音
若すぎたこの恋の終わり告げる

さよなら、僕は狡いから 思ってもない癖に
背中押す言葉を探していた
君も同じ様に無理に強がってたろう
頷いた両肩が震えてたから

遠く東の空に丸い月が上って
君がこの街にはもういなくって
僕は誰もいないホームで一人きり
手を振った方角をただ見つめていた

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雨傘 – 叙情四重奏「カノン」

曇りガラス越し 傘の咲いた街角駅前はいつかと同じ人の波不覚にもそう、下手な嘘を見破り目を背けられぬ私に 告げたサヨナラ雨降り、最初の帰り道には狭い傘に二人冷たく

少女Aの愛情表現 – 叙情四重奏「カノン」

何処かの小説捩った綺麗な愛の言葉より貴方の本能で汚して欲しい熱を失っちゃえば今の二人など偽物じゃない好み通り髪を黒く染め言った通りスカートは膝下で望み通り全部合

曇り空、屋上にて – 叙情四重奏「カノン」

明け方の屋上は 風の音だけがして錆びたフェンスに手を掛け 見下ろせば眠る街もういっそこの身を投げたかった居場所など何処を探せどある筈無いと判っていたあなたはきっ

上総慕情 – 叙情四重奏「カノン」

昼下がりに発った鈍行を降りる頃にはもう海は夕の凪あなた追って女一人旅剱崎へ落ちる陽は瞼を焼いてわかっています、馬鹿な女だとそれでも慕った人だから...草臥れた酒

スロースターター – 叙情四重奏「カノン」

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am2:00 – 叙情四重奏「カノン」

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鞭と嫉妬と赤い絲 – 叙情四重奏「カノン」

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春の灯 – 叙情四重奏「カノン」

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空想ガールフレンド – 叙情四重奏「カノン」

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宵花火 – 叙情四重奏「カノン」

一夜限り とうに気付きながら 夜毎委ねる買われる性 其れを憎めど 欲に溺れ貴方もそう 彼らと同じ様に 雑に為たなら此程まで 狂おしい想い 知らぬままにこんな私を

ジレンマ – 叙情四重奏「カノン」

覆われる途中の景色に彼を見た様な気がして瞼を閉じる薄汚い壁には絡み合った二つの影が踊って真夜中彼も彼も私じゃなくて 似た人を見て悟る私の頭が嫌い、誰か早く空にし

雨の終列車 – 叙情四重奏「カノン」

嗚呼、今予報外れの雨に打たれて強がり笑った傍からね、滲んだ貴方の姿きっと欲を見せた 馬鹿な私に向けられた何かの罰なんでしょう もう、巻き戻せないごめんね、降り出

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