友川かずき

彼が居た−そうだ!たこ八郎がいた – 友川かずき

長い影が 無数にのびている
風は眠ったように 今のどかだ
誰もが兎になって 眼を閉じ
性格の節々が 疼き出したぞ
何が死だ! 生でもないくせに!
気狂いになる時から生きるぞ!
穴の中には 幾億の群れ
群れにポトリと 彼が居た

理解ある老木が 2本も オオッ 倒れた
失意が黒々と天までも昇る
海には無言の光が降り
野という野には一面桔梗
待つものもなく 咲くことに咲く
年月が頭上を歪んですぎた
凍てついた 窓を放つと
天を見上げる 彼が居た

スタスタと人も時空も歩み去る
赤くなったり黒くなったりして
鳩に豆蒔く子らの前
無味な煙草を かさねている
遠くでメリメリ 青空が裂けた
裂けたことだけが頭にとけた
ふらついた腰に自分を乗せて
そうだそうだと首ふる彼が居た

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生きてるって言ってみろ – 友川かずき

ビッショリ汚れた手拭いを腰にゆわえてトボトボと死人でもあるまいによ自分の家の前で立ち止まり覚悟を決めてドアを押す地獄でもあるまいによ生きてるって言ってみろ生きて

夜へ急ぐ人 (ちあきなおみに捧ぐ) – 友川かずき

夜へ急ぐ人が居りゃその肩とめる人も居る黙って過ぎる人が居りゃ笑って見てる人も居るかんかん照りの昼は恐い正体あらわす夜も恐いもえる恋ほどもろい恋私の心の深い闇の中

武装に足る言葉など無いのだ – 友川かずき

首が枯れ うなだれた会話足どり軽く いっちゃった屍向かい来る 闇の刃に悪魔のさしだす舌に何ひとつとて今武装に足る言葉などないのだ武装に足る言葉などないのだアーア

私の花 – 友川かずき

私の花はなんの花艶ややかなカトレアの花かな心の美しいスズランの花かな海の好きなハマナスの花かな私の花はなんの花母の愛のようなバラの花かなちょっとすましたユリの花

ワルツ – 友川かずき

流れてそして君ボロボロになるのだや君夢は はてなく宙舞い雲みたいに漠々とあるのだや生きても 生きてもワルツ死んでも 死んでもワルツ出会いも 出会いもワルツ別れも

トドを殺すな – 友川かずき

可哀想なトドと可哀想な人間に唄います北海道の空と海の蒼かき分けるように生きてゆく動物達役に立てば善だってさ役に立たなきゃ悪だってさ誰が断を下したんだよトドを殺す

明るい夜 – 友川かずき

泣いておさまる 恋がありゃ5円玉ひとつと 一緒にね持ち歩くぞ 持ち歩くぞ許してこだわる 親がいりゃ爪をけずって スープにして呑ませてあげるよ呑ませてあげるよ悩ん

汚れつちまった悲しみに – 友川かずき

汚れちまった悲しみに今日も小雪の降りかかる汚れちまった悲しみに今日も風さえ吹きすぎる汚れちまった悲しみはたとえば狐の革ごろも汚れちまった悲しみは小雪のかかってち

サーカス – 友川かずき

幾時代かがありまして茶色い戦争ありました幾時代かがありまして茶色い戦争ありましたサーカス小屋は高い梁そこに一つのブランコだサーカス小屋は高い梁見えるともないブラ

臨終 – 友川かずき

秋空は鈍色にしてその馬の瞳のひかり水かれて落つる百合花ああこころうつろなるかな神もなくしるべもなくて窓近くおみなのゆきぬ白き空盲いてありて白き風冷たくありぬ窓際

死にぞこないの唄 – 友川かずき

ワイヤーでその首をきつくきつく締めあげりゃシワが沢山できるだろうな鉞で足首をめちゃくちゃ殴ったらまっかな命がでてくるだろうな機関銃をその顔に向けてズドンと撃った

殺されたくないなら殺せ – 友川かずき

故里の駅にあるざらざら乾いたのどかさが俺の刃物に泥を塗る殺されたくないなら殺せ殺したくないなら首括れ優しさが街を焼けば卑しさそれに水かける俺の心臓は水びたし殺さ

魂 – 友川かずき

善事と悪事は 誰決めるあなたの人生 誰決める生きてる感じが 欲しいから生きてる感じが 欲しいから夜が来る度 家を出て夜が来る度 家を出て俺は生首 さがしてる生気

23才の抵抗 – 友川かずき

風にとび込まれるよりは風の中へととび込んでやりたい過去に追われるよりは未来を逃げ廻ってやりたい勇気をさしのべられるよりは沈黙の友情に感謝してやりたいくだり坂を走

歩道橋 – 友川かずき

歩道橋の上から愛が見える汗を拭き乍らセールスマン風の男が歩いてくかごの中で鳥は狂い乍ら死んだ枯れてうつむく赤いとうがらしの花歩道橋の上から愛が見える僕死ぬのは厭

似合った青春 – 友川かずき

喋るうまさより黙るうまさがこれからは大切だよ唄ってるもいいし聴いてるもいいしらしさが出ていればだよ鉛筆の重さに自分の哀しさをのせてやる夢を見たよ似合った青春だよ

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