南壽あさ子

ロマンティック街道 – 南壽あさ子

朝靄にかすむ街 レンガ色の家々
雨上がりの道を のぼってゆく

白樺の若枝で 飾られた馬車に乗って
田舎娘 とおくへ運んでゆけ

わたしの友だちは
100ヘクタールつづく葡萄畑
ともに空をあおぐ

囲われた壁こえて
鳥のように飛べたなら
あこがれたその先を
みてみたいの

すべてを捧げて 短い命よ

おだやかに晴れた日に
ロマンティック街道をゆけば
アルプスの山にそよぐ風が薫る

絵の具で描いたような
白いコントレイル
空に行き先を示している

さえぎるもののない
すべての人たちに
道をつくるようお願いするの

ラララ…

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