南こうせつ

青い旅人 – 南こうせつ

人知れぬぶどう畑に ゆく夏の影を求めて
もう一度生きてみようと 道だけを探しに来たよ

青銅の裸像を抱きしめるように
あなたの冷たさを胸が覚えてる

みつばちが風に舞ってる 手を出せばさされるけど
もう一度夢に向かって このうでをさしのべたくて

青銅の時代を渡る旅人は
ありったけのやさしい瞳をしてるさ

人生を知り尽くしたと 笑うのは思い違いさ
峠へとつづれおれてる 山道の先は見えない

青銅の時代を渡る旅人は
ありったけのやさしい瞳をしてるさ
ありったけのやさしい瞳をしてるさ

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愛を宿して – 南こうせつ

悲しくなるほどあなたを愛して時には心で時にはこの手でただ抱きしめ疲れた身体を夢で癒したらまた偉くなってあしたの何処かへさあ出かけてこの世に授かったあなたは ひと

母へ – 南こうせつ

胸にまどろむ 幼子に願いこめた 子守唄あの日の空に 託す夢おかあさん Wooおかあさん Woo ありがとう心ともした ぬくもりは母がつづった 愛の詩言葉にすると

道 – 南こうせつ

旅の宿 窓を開ければ船の底 たたくさざなみ星ひとつ 凍えて光ってる遠い道 歩いて来たよ君と出会った 夜想い出してもいいかい生きて来て 生きて来て君のやさしさに 

あなたのことが好きでした – 南こうせつ

夜の波音 こわいのは心も さらわれそうだから海にはらはら 降る雪は夢がちぎれたものですかあなたのことが好きでした誰よりも好きでしたあの時の サヨナラの嘘いつか忘

愛よ急げ – 南こうせつ

はるか彼方 地平の果てに愛に目覚めた人がいてかたちある愛 かたちない愛ともに誰かに運びたくて愛よ 急げよ待つ人のもとへ風になり 鳥になり 雲になり急いで走れよ丸

この朝はどこかの夜更け – 南こうせつ

この朝は どこかの夜更け目覚める人眠りにおちる人たった一つの 丸い星に光があたり 繰り返される永遠の約束あの勝利は だれかの敗北抱き合う人心を閉ざす人たった一つ

夏の少女 – 南こうせつ

目を覚ましてみると 白い砂は焼けてまぶしい日ざしと いたずらな瞳が僕をまどわす ほほえむ君の顔が夏の空に溶けてゆく おまえは僕のために生まれてきた様な なぜかそ

国境の風 – 南こうせつ

遥か海を越え 遠き母の大地(とち)水鳥(とり)たちは この青空(そら)を 自由に飛び交うよせめてこの魂(こころ) せめてこの慕(おも)い悲しみを伝えてよ 愛する

からたちの小径 – 南こうせつ

なつかしいうたを 誰かがうたってる遠い日の思い出が よみがえる駅から続く からたちの小径を手をつなぎ 寄り添って 歩いたわあぁ 恋のかほり残して あなたは消えた

海を渡る風 – 南こうせつ

海を渡る風になって熱い想いよ 君へ吹け君が黙って 風を受けてやわらかな 髪を揺らす波間にただよい君と僕と 溶けてしまえことばは とぎれがちにそっと口づけ 交わし

グッド・ナイト・マイ・ベイビー – 南こうせつ

グッドナイトベイビー私のベイビー静かに静かにおやすみグッドナイトベイビー愛しい人よ抱かれて抱かれておやすみ夢の世界で 自由に遊べ星も皆な 消えるころまでグッドナ

夕顔 – 南こうせつ

朝日に 移り香も消えゆく 刹那の窓辺からやさしく 堪(た)へるよなほほ笑む 眼をした 人が好き人の情けに ほろ酔えば十二月の間に乙女心のかほどにも知り難さを思ひ

君がいたから – 南こうせつ

なにもない海沿いの小さな町は僕たちの青春を燃やした町さそれとなく待ち伏せた憧れの君肩並べ帰る道夕陽が染めるふるさとの夢を見るたびによみがえるあの空ありがとう思い

春に想えば – 南こうせつ

峠越えれば 風はやさしく友と遊んだ ふるさとの川おぼろ月夜に 歌を歌えばつわものどもの 夢のあとああ いつからか 大人になって泣いて笑って 嘘つきになって抱いて

二月のハーモニカ – 南こうせつ

ビルの屋上の 回転木馬まわらない回転木馬に かけていると鉛色に暮れてゆくビルの向こうに ふたつみっつとついてゆく灯たち母ちゃんは掃除婦さ母ちゃんは掃除婦さぼくは

抱きしめればきみは – 南こうせつ

愛してるといってと 君が言う照れるじゃないかと 僕は言うなんどでも聞かせてと 君がねだる女なんだなと そっと抱きしめる眼をとじてごらん眼をとじてごらん夜がふたり

加茂の流れに – 南こうせつ

やさしい雨の 祇園町加茂の流れにうつる あなたの姿あれは 初めての恋見つめあう 見つめあう瞳 あなたとふたりおぼろ月夜の 清水で初めてふれたあなたの 白い指あれ

神田川 – 南こうせつ

貴方はもう忘れたかしら赤い手拭マフラーにして二人で行った横町の風呂屋一緒に出ようねって言ったのにいつも私が待たされた洗い髪が芯まで冷えて小さな石鹸カタカタ鳴った

息子 – 南こうせつ

明日の朝 息子が出て行くまぶしい背中で ここを出て行く思えば こないだ 歩き出したようで真夜中に熱を出しては困らせた幼稚園の入園の時は泣きべそママにしがみついた

ねがい – 南こうせつ

どこか遠くへ行きたいと懐かしい人が歌っている机の上の小さなラジオで行きたい いつか行ってみたいはるかな土地にねそべるとそこから空の蒼さが始まるところにいつの日に

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