千花有黄

こんな女でごめんなさい – 千花有黄

子供のころに 読んだ本の
きれいな ガラスの靴は
どうしてか 私には
氷の靴に 見えました
幸せなんて本当は どこにもないと思ってる
こんな こんな女で ごめんなさい

二十歳の夏に 買ったルージュ
酔いどれ男の 胸に
ウソツキと 書きなぐり
ふたりの部屋を 捨てました
愛されたって最後には 傷つくだけと思ってる
こんな こんな女で ごめんなさい

三十過ぎて 逢った人は
何にも 聞かない人で
優しさが こわくって
私はなぜか 逃げました
失うまえに自分から 大事なものを捨てるクセ
こんな こんな女で ごめんなさい

あなたのような 人に二度と
出逢えやしないと 思う
好きなのに 好きだから
泣き泣き背中 向けました
人生なんて本当は 哀しいだけと思ってる
こんな こんな女で ごめんなさい

こんな こんな女で ごめんなさい

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