千綿ヒデノリ

君がいた景色 – 千綿ヒデノリ

4人がけのシートにふたり
揺られてどこへ行ってたんだろう?
使い捨てのカメラがめずらしくて
意味もなく撮り合った

重たい窓を開ければ
かすかに海の匂いがして
風に乱れる君の長い髪が
僕の頬くすぐったあの瞬間(とき)

写真には写せない想い出がきっとあるんだな
君がいた景色ならこの胸に焼きついている

あれから月日は流れ
ふるさとの線路も消えたと知った
君がいま誰かと幸せなら
それだけで嬉しいよ

移り住んだこの街にも
いろんな出会いが詰まってるけど
色褪せたアルバムめくるたびに
君がほら話しかけてくる

ひとりでは作れない想い出がきっとあるんだな
ありふれた景色でも僕だけの特別になる

写真には写せない想い出がきっとあるんだな
君がいた景色ならこの胸に焼きついている

この胸に焼きついている

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