千のアカシ

忘れられた少年 – 千のアカシ

瓦屋根の隙間から 飛行機雲が線を引く
大きすぎるサンダルで すぐに空き地へ飛び出した

首が痛くなるほどに 空を見上げたあの頃の
ときめくような あの夢を忘れてしまっていたようだ

雪が溶けるように 時は流れて
山が枯れたように 時は佇む

忘れられた少年に 会いに行きたい一度だけ
子供の頃の自分に 教えて欲しいことがある

めがね橋を渡る時 魚きらきら弧を描く
麦藁帽子飛ばされて 水辺の花に日傘差す

あいつと川へ飛び込んで 水掛けあったあの頃の
ゆったり過ぎたあの時間 忘れてしまっていたようだ

風が歩くように 時は流れて
黒い雲のように 時は佇む

忘れられた少年に 会いに行きたい一度だけ
子供の頃の自分に 教えて欲しいことがある

忘れられた少年に 会いに行きたい一度だけ
子供の頃の自分に 教えて欲しいことがある

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