千のアカシ

冬の別れ – 千のアカシ

捨てられずに居た たった一枚の
遠い街からの あなたの絵はがき

色あせたインクは 想い出遠ざける
消えた文字探して 記憶をたどる

無常のベルは鳴り響き
寒い朝 車輪は回った

扉のガラスに すがりつくような
私の指先 冷たくて赤い
反対側から 合わせてくれた手
あの頃のようには 温かくなかった

すごした日々消すように
音を立て 車輪は回った

愛するあの人 待っているのでしょう?
離れていくのね 知らない街へと
吐息で曇った あなたの口元
「ごめんね」だなんて 聞こえなかったわ

こうして 愛は終わったの
さよならは言えなかった 冬の別れ

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