十五少女

逃避行 – 十五少女

エレベーターのない三階建て
最上階まで上がるのが最近面倒になったところ
終わりを告げるバラード
締め切ったカーテンの向こう、開かずの窓

浮き沈みが少しだけ
部屋の温度を確かに変えていく
ああ、机の隅に増えていくピアスを
ケースに戻すのも煩わしいな

どうせ何年もせずに
入れ替わっていく関係なのに
右往左往していたいの?
下らないわ
なんて言えたらな

終電、バイト先、レポート、着信音を
行ったり来たり目先のことに追いつけない
一年先だってわかんない
言い出せそうもない空気に
息がつまりそうな夜はただ

ああ、見渡す限りの 誰も彼もがさ
妬み、擦り切れてるようで
やりきれないな
ああ、少しでも早く もう少し高く
その争奪から逃げて 深く息を吸いたい
一日待たせておいて
君からの返事は一行だけ
ああ、終わりにしようと
いっそ言えばいいのに
繋ぎ止めたままで誰といるの?

ため息一つ吐いたら
電話をかける相手は不在票
いつまでも受け取れないな
思う様にはいかないことばかり

週末のカフェをリポート
なんでもうまくやってるフリ
してないと置いていかれそうで
ハートくらいくれてもいいじゃん
その一言を言ったら
君が目を逸らすのが見える気がした

ああ、思い出したように
インターフォンが鳴って 肌を重ねるだけなんだ
やりきれないな
ああ、少しでも早く 忘れられたなら
この憂鬱から逃げて
深く息を吸いたい
エレベーターのない三階建て
窓からの景色が好きで
気付けば時間に追われ
苦し紛れ
今日も駆け下りる
明日まで

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